Vol.50, No.1 (2022)



【 目次 】

巻頭言
アカデミアにおける研究の多様性と社会が求める実学を考える
関西大学 松村 吉信…1
原著論文
日本国内における紙幣および貨幣に付着した微生物の実態調査
表題:
日本国内における紙幣および貨幣に付着した微生物の実態調査(原著論文)
著者:
松村有里子,岩澤篤郎(東京医療保健大学・大学院 医療保健学研究科),加地大樹(東京医療保健大学・大学院 医療保健学研究科,国保直営総合病院君津中央病院),岩間暁子(国保直営総合病院君津中央病院),中西秀行,小澤茂樹(ローレルバンクマシン(株)),沖野晃俊(東京工業大学・未来産業技術研究所)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.50,No.1,pp.3-11(2022)

本研究では,2020年6月から2021年5月に東京で収集された日本国通貨および,2020年11月に宮城県,東京都,愛知県,大阪府,福岡県で収集された紙幣に付着する微生物について同定を行い,通貨付着菌の菌叢を明らかにした。日本国通貨から175種の微生物が同定され,グラム陽性桿菌79種,グラム陽性球菌31種,グラム陰性桿菌45種,グラム陰性球菌3種,糸状菌13種,酵母様真菌4種であった。単位面積当たりの菌数と微生物種の数は紙幣の方が貨幣より多かった。紙幣から同定された細菌は,Bacillus属細菌とグラム陽性球菌が占め,グラム陰性菌はほとんど検出されなかった。人口密度の高い地域で菌種数および検出菌数が多かった。検出された18種の病原細菌はすべて感性株であったが,消毒薬に抵抗性を持ち多剤耐性菌になり得る細菌が増加していた。これがコロナ禍による一過性のものなのか,今後も注視していく必要があると考えられた。

Key words:Bacterial species(細菌)/Fungal species(真菌)/Banknotes(紙幣)/Coins(貨幣).

東京医療保健大学 松村 有里子 他…3
講座
食の安全・安心科学 -食品製造現場・食品にかかわる微生物汚染とその対策- [11]アルコール製剤の活用
表題:
食の安全・安心科学 -食品製造現場・食品にかかわる微生物汚染とその対策- [11]アルコール製剤の活用
著者:
原田 裕(サラヤ(株) バイオケミカル研究所 サラヤ微生物研究センター)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.50,No.1,pp.13-17(2022)

本報では,アルコール類の中でも最も広い分野に用いられるエタノールに着目し,食品製造分野における活用例などについて解説するとともに,食中毒,感染症として近年問題となっているノロウイルス対策としてのエタノールの利用,また食品製造と直接は関係ないが,2020年初頭から流行している新型コロナウイルスに対するエタノールの効果についても紹介する。エタノールは殺菌速度が速い,蒸発しやすく残留しない,毒性が低いといった特徴から,食中毒や感染症対策において,手指や器具などの殺菌・消毒剤としてなくてはならない存在となっている。また,ノロウイルス対策としてアルコール製剤が用いられるようになるなど,エタノールの有効性を高める技術も常に向上していることもあり,今後もエタノール製剤が活用される場面はさらに増えていくであろう。

Key words:Ethanol(エタノール)/Food additive formulations(食品添加物製剤)/Norovirus(ノロウイルス)/COVID-19(新型コロナウイルス).

サラヤ(株) 原田 裕…13
講座
微生物による劣化 -繊維,金属,木材,コンクリート,紙等- [6]微生物による文化財の劣化と対策 ~古墳・洞窟壁画の微生物劣化~
表題:
微生物による劣化 -繊維,金属,木材,コンクリート,紙等- [6]微生物による文化財の劣化と対策 ~古墳・洞窟壁画の微生物劣化~
著者:
佐藤 嘉則(東京文化財研究所)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.50,No.1,pp.19-24(2022)

本稿では,屋外環境にある文化財のなかでも古墳や洞窟にある壁画に焦点を当て,現地保存における微生物劣化について国内外の事例を紹介しながら,現状と今後の課題について整理を試みた。国内では,高松塚古墳壁画の微生物劣化について,屋外環境においては壁画の微生物劣化を制御することが困難であることを概説した。また,フランスのラスコー洞窟壁画の微生物劣化について概説し,高松塚古墳壁画と同様の課題があることを述べた。その一方で,虎塚古墳壁画は顕著な微生物劣化が確認されずに現地保存と公開が行われているが,この理由は不明であった。そこで,壁画に由来する試料で行われた微生物叢解析の結果に基づき生態学的な考察を行い,顕著な微生物劣化が認められない壁画は埋蔵状態に近い保存環境で,石室内生態系が攪乱を受けることなく安定的に維持されていることが理由ではないかと推察した。最後に現地における壁画保存の在り方について総括した。

Key words:Cultural properties(文化財)/Microorganisms(微生物)/Microbial deterioration(微生物劣化)/Tumulus(古墳)/Cave(洞窟)/Wall paintings(壁画).

東京文化財研究所 佐藤 嘉則…19
講座
第2回:微生物との戦いは永遠につづく! [8]食品衛生7S(整理・整頓・清掃・洗浄・殺菌・躾・清潔)の躾は「習慣」では定着しない!
表題:
第2回:微生物との戦いは永遠につづく! [8]食品衛生7S(整理・整頓・清掃・洗浄・殺菌・躾・清潔)の躾は「習慣」では定着しない!
著者:
角野久史(NPO法人食品安全ネットワーク理事長,(株)角野品質管理研究所代表取締役)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.50,No.1,pp.25-32(2022)

はじめに,芝崎勲先生との思い出を語った。ついで,京都湯葉製造販売事業協同組合による「HACCPの考え方を取り入れた“ゆば”製造業における衛生管理計画作成の手引書」作成の経過,とくに厚生労働省の担当者との意見のやりとりなどを紹介した。やりとりの中で,食品衛生7Sの躾を,「習慣」と書き直すようにという指示があった件について,紹介すると共に,食品衛生7Sを推進してきたものとして,「躾」の重要性を再検討した。

Key words:Yuba(ゆば)/ Guidebook(手引書)/ Food Hygiene 7S(食品衛生7S)/ Discipline(躾)/ Customs(習慣)

(株)角野品質管理研究所 角野 久史…25
講座
微生物を利用した有用物質生産 [4]微生物機能を活用した芳香族化合物の生産
表題:
微生物を利用した有用物質生産 [4]微生物機能を活用した芳香族化合物の生産
著者:
岡井 直子(東北大学大学院工学研究科 バイオ工学専攻 応用生物物理化学分野)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.50,No.1,pp.33-37(2022)

地球上の資源は有限であり,化成品・プラスチック・医薬原料・食品原料のバイオ生産が産業界より広く望まれている。バイオリファイナリーは微生物発酵の力を活用して糖類から様々な化合物を生産する,有効なアプローチである。微生物発酵による物質生産は化学法と比べて温和かつ安価な方法で生産物を得ることができる。芳香族化合物は機能性食品原料やバイオプラスチック原料として用いることができる。本稿では芳香族化合物の微生物生産の例として,抗酸化性を有し樹脂原料となるプロトカテク酸の糖を原料とする生産,およびフェルラ酸を用いたプロトカテク酸への微生物変換について解説する。また薬品原料となるベンジルイソキノリンアルカロイドの微生物生産系について紹介する。

Key words:Aromatic compounds(芳香族化合物)/Engineered microorganisms(組換え微生物)/Biorefinery(バイオリファイナリー).

東北大学大学院 岡井 直子…33
紙上ミニシンポジウムⅤ
紙上ミニシンポジウムⅤ 〜微生物汚染から健康を守る切り札とは?〜 3.環境測定における簡易迅速試験法
表題:
紙上ミニシンポジウムⅤ 〜微生物汚染から健康を守る切り札とは?〜 3.環境測定における簡易迅速試験法
著者:
菊野 理津子((一財)北里環境科学センター)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.50,No.1,pp.39-47(2022)

微生物を対象とした環境測定は,日本薬局方や建築学会環境規準などにより,微生物の測定方法が定められている。これらは,培養による生菌数測定が基本となっており,数日の培養期間を要する条件もある。そのため,異常時にすぐ対応できないことが課題である。培養によらない迅速試験法は,短時間で結果を得ることができ,リスク管理に有用であり,培養法の代替えとして期待されている。本講座では,日本薬局方第17改正,参考情報に示される環境測定に適用可能な迅速試験法のうち,蛍光染色法,マイクロコロニー法,生物発光・蛍光法などの原理と特徴について解説した。また,人手を介さずに連続なモニタリングが可能な空中浮遊微生物測定機器,水中微生物測定機器の原理と測定事例,また蛍光染色法を原理とする迅速測定装置による測定事例として,UV処理後,強アルカリ電解水処理後の生菌数が培養生菌数と相関性が得られなかった事例を示した。

Key words:Microbiological monitoring of environments(環境微生物測定)/Rapid test methods(迅速試験法)/Fluorescent staining method(蛍光染色法)/Microcolony method(マイクロコロニー法)/Microbial particle counter(微生物計数機器).

(一財)北里環境科学センター 菊野 理津子…39

会員の声-培養-
『名誉会員・篠田純男先生の『回想録~大学生活60年~』を読みて(その37)』…新井 一義…目次裏
『衛生教育 考え方を伝える』…多田 幸代…38

図書紹介 『食品工場のカビ対策事例データブック』…坂上 吉一…18

会報 …48

カレンダー …和文目次裏

【 English Contents 】 Vol.50,No.1 (2022)

Leader
Research Diversity and Practical Study in Academia
by Yoshinobu MATUMURA…1
Original Paper
Microbiological Analysis of Banknotes and Coins in Japan
by Yuriko MATSUMURA, Daiki KAJI, Hideyuki NAKANISHI, Shigeki OZAWA, Akiko IWAMA, Akitoshi OKINO, and Atsuo IWASAWA…3
Lecture
Safety and Security Science of Food -Microbial Contamination and Measures concerned with Food Manufacturing Sites and Food- (11) Utilization of Alcohol Preparation
by Yutaka HARADA…13
Lecture
Deterioration Materials by Microbe -Fiber, Metal, Wood, Concrete, Paper- (6) Deterioration and Measures of the Cultural Assets due to the Microbe -Microbe Deterioration of Old Burial Mound・Cave Fresco-
by Yoshinori SATOU…19
Lecture
The second: Battle against Microorganisms Continues Forever ! (8) The Discipline practical used in Food Hygiene 7S (Seiri・Seiton・Seisou・Senjyo・Sakkin・Shitsuke・Seiketu) does not take root in "the custom"!
by Hisashi SUMINO…25
Lecture
Production of Useful Compounds using Microorganisms (4) Production of Aromatic Compounds by Engineered Microorganisms
by Naoko OKAI…33
Mini-Journal SymposiumⅤ
What is the best way to protect health from microbial contamination? (3) Simple Quick Analysis in the Environmental Measurement
by Ritsuko KIKUNO…39
Member’s Voice-Cultivation-
by Kazuyoshi ARAI / by Yukiyo TADA…Reverse Page of the Contents / 38
Book Review
by Yoshikazu SAKAGAMI…18
Society Activities
…48
Calendar
…Reverse Page of the Contents in Japanese

Vol.50, No.2 (2022)



【 目次 】

原著論文
ポリエチレンテレフタレートおよびステンレス鋼表面への細菌芽胞の付着
表題:
ポリエチレンテレフタレートおよびステンレス鋼表面への細菌芽胞の付着(原著論文)
著者:
小林哲也(地方独立行政法人北海道立総合研究機構食品加工研究センター,北海道大学大学院水産科学院),福﨑智司(三重大学大学院生物資源科学研究科),山﨑浩司(北海道大学大学院水産科学研究院)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.50,No.2,pp.49-55(2022)

ポリエチレンテレフタレートおよびステンレス鋼の微粒子を用いて,水溶液中での疎水性および親水性硬質表面への芽胞の付着を検討した。B. cereusグループ,P. odoriferおよびP. polymyxaの芽胞は両微粒子によく付着した一方で,B. pumilusやB. subtilisの芽胞はどちらの微粒子にもほとんど付着しなかった。両微粒子への芽胞の付着程度は,芽胞の表面疎水性と有意な正の相関を示した。疎水性の芽胞は,水溶液の芽胞濃度に依存して微粒子への付着芽胞数が増加した。一方で,親水性の芽胞では付着量に顕著な増加は観察されなかった。また,芽胞は凝集することなく硬質表面に付着していた。以上の結果から,硬質表面への芽胞の付着には,硬質表面の疎水性度に関わらず芽胞の表面疎水性が重要な因子であり,水溶液中において芽胞に働く疎水効果が硬質表面への付着に影響することが示唆された。

Key words:Spore Adsorption(芽胞の付着)/Spore Surface Hydrophobicity(芽胞の表面疎水性)/Hydrophobic Effect(疎水効果)/Polyethylene Terephthalate(ポリエチレンテレフタレート)/Stainless Steel(ステンレス鋼).

道立総研 小林 哲也 他…49
講座
食品製造現場における食品衛生7Sの実践的な活用 [10]食品衛生7Sの実践による効果と今後の発展
表題:
食品製造現場における食品衛生7S(整理・整頓・清掃・洗浄・殺菌・躾・清潔)の実践的な活用 [10]食品衛生7Sの実践による効果と今後の発展
著者:
角野久史((株)角野品質管理研究所)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.50,No.2,pp.57-65(2022)

食品衛生7Sの取り組みを継続して取り組みを行っているとその効果が顕著となる。まず,作業者の行動に責任感が生まれ,ルールを守った行動を心掛ける現場環境になるし,現場からの報連相が活発化してくる。整理整頓を徹底し,表示することにより作業効率が向上し,清掃や洗浄方法がマニュアル化されることにより作業者によって結果が大きくぶれなくなる。その結果として,異物混入等お客さんのお申し出が限りなくゼロに近づく。

Key words:食品衛生7Sは企業の安心と利益をもたらす/食品衛生7Sのねらい-社員とその家族の幸せ.

(株)角野品質管理研究所 角野 久史…57
講座
ハードルテクノロジーによる食品の微生物制御 [9]「おいしさ」と「日持ち」の両立“ハードルテクノロジーの活用”
表題:
ハードルテクノロジーによる食品の微生物制御 [9]「おいしさ」と「日持ち」の両立“ハードルテクノロジーの活用”
著者:
小磯博昭(三栄源エフ・エフ・アイ(株))
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.50,No.2,pp.67-75(2022)

中食・総菜などの加工食品は,「おいしい」だけでなく安全に「日持ち」させる必要があり,ハードルテクノロジーによる食品の微生物制御は,重要なテーマである。食品の微生物制御は食品添加物と,保存温度やpHなどとの組み合わせが有効であることが実験で証明されている。静菌効果を示す食品添加物は,その種類毎にメカニズムが異なっており,複数の種類の食品添加物を併用する事も有効である。ハードルテクノロジーの効果は,予測微生物学を応用することで,より理解しやすくなる。予測微生物学の技術を取り入れることで,賞味期限を常温で1年程度と設定するような食品であっても,保存料や日持向上剤を使うことで従来不可能であった条件(pHや水分活性)で商品化が可能であることが示され,一部の商品で検討が進んでいる。

Key words:ハードルテクノロジー/予測微生物学/食品添加物/併用効果/静菌.

三栄源エフ・エフ・アイ(株) 小磯 博昭…67
講座
微生物による劣化 -繊維,金属,木材,コンクリート,紙等- [8]木材の微生物劣化とその対策
表題:
微生物による劣化 -繊維,金属,木材,コンクリート,紙等- [8]木材の微生物劣化とその対策
著者:
馬場庸介(住化エンバイロメンタルサイエンス(株))
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.50,No.2,pp.77-84(2022)

木材は物理的および機械的性質に優れ,加工性が良いことから広い範囲で使用されている。また,再生産可能な天然資源であり,他の材料と比較し製造・加工エネルギーが少なく,成長時に吸収した二酸化炭素を木材中に固定する炭素貯蔵効果を有する特長があり,二酸化炭素削減効果も期待される。このような特性から,木材の有効活用は持続可能な社会の実現において極めて重要である。しかし,木材は構成される有機高分子材料であり,使用環境で様々な要因により劣化が生じる。この中でも,表面汚染菌,辺材変色菌,木材腐朽菌などの微生物により生じる劣化を微生物劣化と呼ぶ。木材の微生物劣化の対策として,防カビ剤や木材防腐剤などの木材保存剤による保存処理が行われる。本稿では,微生物劣化に関わる微生物,およびその対策として防カビ剤,防腐剤などの木材保存剤およびその処理方法について解説する。

Key words:Wood degradation(木材劣化)/Wood Decay(木材腐朽)/Microbial degradation(微生物劣化)/Wood preservation(木材保存)/Deterioration(劣化)/Soft-rot fungi(軟腐朽菌)/Brown-rot fungi(褐色腐朽菌)/White rot fungi(白色腐朽菌)/Sap-staining fungi(辺材変色菌).

住化エンバイロメンタルサイエンス(株) 馬場 庸介…77
講座
微生物による劣化 -繊維,金属,木材,コンクリート,紙等- [8]木材の微生物劣化とその対策
表題:
微生物による劣化 -繊維,金属,木材,コンクリート,紙等- [8]木材の微生物劣化とその対策
著者:
馬場 庸介(住化エンバイロメンタルサイエンス(株))
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.50,No.2,pp.77-84(2022)

木材は物理的および機械的性質に優れ,加工性が良いことから広い範囲で使用されている。また,再生産可能な天然資源であり,他の材料と比較し製造・加工エネルギーが少なく,成長時に吸収した二酸化炭素を木材中に固定する炭素貯蔵効果を有する特長があり,二酸化炭素削減効果も期待される。このような特性から,木材の有効活用は持続可能な社会の実現において極めて重要である。しかし,木材は構成される有機高分子材料であり,使用環境で様々な要因により劣化が生じる。この中でも,表面汚染菌,辺材変色菌,木材腐朽菌などの微生物により生じる劣化を微生物劣化と呼ぶ。木材の微生物劣化の対策として,防カビ剤や木材防腐剤などの木材保存剤による保存処理が行われる。本稿では,微生物劣化に関わる微生物,およびその対策として防カビ剤,防腐剤などの木材保存剤およびその処理方法について解説する。

Key words:Wood degradation(木材劣化)/Wood Decay(木材腐朽)/Microbial degradation(微生物劣化)/Wood preservation(木材保存)/Deterioration(劣化)/Soft-rot fungi(軟腐朽菌)/Brown-rot fungi(褐色腐朽菌)/White rot fungi(白色腐朽菌)/Sap-staining fungi(辺材変色菌).

住化エンバイロメンタルサイエンス(株) 馬場 庸介…77
講座
微生物を利用した有用物質生産 [5]有用化合物生産プラットフォームとしての有機溶媒耐性菌利用
表題:
微生物を利用した有用物質生産 [5]有用化合物生産プラットフォームとしての有機溶媒耐性菌利用
著者:
戸田 弘(富山県立大学工学部生物工学科)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.50,No.2,pp.89-95(2022)

有機溶媒耐性菌Kocuria rhizophila DC2201は,各種アルコール等の有機溶媒に高い耐性を示し,大腸菌では困難な毒性の高い化合物をターゲットとした物質生産宿主としての利用が期待される。特に筆者らがこれまでに行ってきた,スチレン酸化酵素(SMO)を利用したエポキシアルカン類の生産において,大腸菌宿主を利用した場合の3〜7倍程度の生産効率の向上を示し,本菌株が有用なバイオツールであることが実証されている。しかしながら,本菌株を利用した物質生産例は少なく,利用できる遺伝子工学的ツールなども極限られている。そこで筆者らは,本菌株を物質生産宿主として利用するために必要なシャトルベクター開発およびゲノムDNA編集ツールを独自に開発し,様々な外来遺伝子の発現や遺伝子破壊による代謝系改変について研究を試みている。本稿ではそれらの一部を簡単に紹介したい。

Key words:Kocuria/Organic solvent-tolerant/Styrene monooxygenase.

富山県立大学 戸田 弘…89

会員の声-培養-
『名誉会員・篠田純男先生の『回想録~大学生活60年~』を読みて(その38)』…新井 一義…目次裏

海外文献抄録 …坂上 吉一…66

会報 …96

カレンダー …和文目次裏

【 English Contents 】 Vol.50,No.2 (2022)

Original Paper
Adsorption of Bacterial Spores in Aqueous Solution onto Polyethylene Terephthalate and Stainless-steel Surfaces
by Tetsuya KOBAYASHI, Satoshi FUKUZAKI, and Koji YAMAZAKI…49
Lecture
Practical Use of Food Hygiene 7S (Seiri・Seiton・Seisou・Senjyo・Sakkin・Shitsuke・Seiketu) at Food Manufacturing Sites (10) Effect by Practice of Food Hygiene 7S and Future Prospects
by Hisashi SUMINO…57
Lecture
Microbiological Control in Foods by Hurdle Technology (9) Coexistence of "Taste" and "Storable Duration" for Application of Hurdle Technology
by Hiroaki KOISO…67
Lecture
Deterioration Materials by Microbe -Fiber, Metal, Wood, Concrete, Paper- (8) Overview of Microbial Degradation of Wood and its Prevention.
by Yousuke BABA…77
Lecture
The second: Battle against Microorganisms Continues Forever ! (9) Prof. & Dr. Isao Shibasaki and HACCP
by Sadao KOMEMUSHI…85
Lecture
Production of Useful Compounds using Microorganisms (5) Utilization of Organic Solvent-tolerant Bacteria for Producing of Useful Compound.
by Hiroshi TODA…89
Member’s Voice-Cultivation-
by Kazuyoshi ARAI…Reverse Page of the Contents
Abstracts from Overseas Journals
by Yoshikazu SAKAGAMI…66
Society Activities
…96
Calendar
…Reverse Page of the Contents in Japanese

Vol.50, No.3 (2022)



【 目次 】

原著論文
ヨウ素の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)不活化作用
表題:
ヨウ素の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)不活化作用(原著論文)
著者:
尾野本浩司,米山光俊(千葉大学・真菌医学研究センター),浅倉 聡(伊勢化学工業(株),千葉大学・千葉ヨウ素資源イノベーションセンター),松本伸一(日宝化学(株)),海宝龍夫((株)合同資源,千葉大学・千葉ヨウ素資源イノベーションセンター)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.50,No.3,pp.97-103(2022)

最近,ヨウ素系消毒薬の重症急性呼吸器症候群コロナウイルス-2(SARS-CoV-2)に対する不活化効果について報告があった。しかしヨウ素は様々な形態で存在するので,それぞれの不活化能については不明な部分が多い。本研究では,ヨウ素系消毒薬の主要構成成分であるヨウ素,ヨウ化物イオン,複合体ヨウ素(三ヨウ化物イオン,ポビドンヨード)などの異なる形態のヨウ素について,SARS-CoV-2に対する不活化効果を検証した。その結果,ヨウ化物イオンはSARS-CoV-2の不活化作用には関与しないが,これまで考えられていた遊離ヨウ素に加えて,複合体ヨウ素あるいはポリヨウ素が不活化に大きく寄与していることが推定された。

Key words:Iodine(ヨウ素)/SARS-CoV-2(新型コロナウイルス)/Virus Inactivation(ウイルス不活化)/PVPI(ポビドンヨード).

千葉大学 尾野本 浩司 他…97
総説
感染症媒介蚊とその防除
表題:
感染症媒介蚊とその防除
著者:
川田 均(長崎大学熱帯医学研究所)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.50,No.3,pp.105-112(2022)

蚊は,ヒトに危害を及ぼす生物群の中でも,他の追従を許さないほどの脅威をヒトに与えており,特にマラリアやデング熱などの感染症を媒介して年間数十万人の死者を発生させる重要な生物である。マラリアはハマダラカ属の蚊が媒介する。日本国内にもマラリアはかつて存在したが,戦後の駐留米軍と住民による努力によって国内からは駆逐された。デング熱は,これを媒介するネッタイシマカが海外から移入する危険性が温暖化とともに増しており,国内に広く分布するヒトスジシマカも重要な媒介者である。これらの蚊は,ピレスロイドという理想的な殺虫剤で防除可能であるが,ピレスロイドの作用点である電位感受性ナトリウムチャンネルのアミノ酸を構成する塩基にミューテーションを起こして,ノックダウン抵抗性を獲得した蚊が近年増加しており,世界中で問題となっている。ピレスロイドの忌避性を応用した新しい防除法の開発が急務である。

Key words:Aedes aegypti/Aedes albopictus/Dengue fever/Knockdown resistance/Malaria/Pyrethroid/Spatial repellency/Voltage-sensitive sodium channel.

長崎大学熱帯医学研究所 川田 均…105
講座
ハードルテクノロジーによる食品の微生物制御 [10]清涼飲料製造におけるハードルテクノロジー
表題:
ハードルテクノロジーによる食品の微生物制御 [10]清涼飲料製造におけるハードルテクノロジー
著者:
青山冬樹(アサヒ飲料(株) 研究開発本部 技術研究所)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.50,No.3,pp.113-119(2022)

清涼飲料の中でもミルクコーヒーを中心とした高温販売を行う低酸性飲料の製造におけるハードルテクノロジーについて紹介した。低酸性飲料はpHが中性付近で水分活性も高く,栄養成分が豊富なため,非常に微生物が増殖しやすい液性を持っている。また高温販売を行うことで,耐熱性が非常に高く殺菌が極めて難しい高温性の芽胞形成細菌を対象として,それらの細菌の至適培養条件に非常に近い高温保存という特殊な条件での保存性を維持するための管理が求められる。これらの清涼飲料水の製造管理には4つのハードル①原材料の微生物コントロール②製品液中の静菌制御③製品の殺菌④保存と販売温度の管理が重要となる。

Key words:Low acid beverage(低酸性飲料)/Canned coffee(缶入りコーヒー)/Bacteriostatic emulsifier(静菌性乳化剤)/Thermophilic spore-forming bacteria(高温性芽胞形成細菌).

アサヒ飲料(株) 青山 冬樹…113
講座
食の安全・安心科学 -食品製造現場・食品にかかわる微生物汚染とその対策- [12]LEDの放射特性を利用した微生物制御と食品衛生分野への応用
表題:
食の安全・安心科学 -食品製造現場・食品にかかわる微生物汚染とその対策- [12]LEDの放射特性を利用した微生物制御と食品衛生分野への応用
著者:
白井昭博(徳島大学大学院社会産業理工学研究部生物資源産業学域,徳島大学ポストLEDフォトニクス研究所),粟飯原睦美(徳島大学大学院社会産業理工学研究部生物資源産業学域)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.50,No.3,pp.121-128(2022)

深紫外線領域の光を放つ低圧水銀ランプは,その主波長(254 nm)の故に殺菌用途として空気,液体,固体を対象に汎用されてきた。その一方で,水銀条約(2017年発効)ならびにEU水銀規則(2018年発効)に伴い,水銀を含む製品の製造ならびにその輸出入の厳格な規制が始まっている。このような背景より,近年,開発著しい深紫外線LEDは,紫外線殺菌の代替光源として大いに期待されている。そこで本稿では,深紫外線LEDとviolet LED(405 nm LED)を取り上げ,放射波長およびLED出力に着目して殺菌力そして殺菌機構について解説する。さらに,深紫外線LEDを用いた食品の殺菌処理やLED照射による食品品質への影響を調べた研究事例について紹介する。

Key words:LED/Deep-UV(深紫外線)/Violet LED(バイオレットライト)/Inactivation(不活化)/Food decontamination(食品殺菌)/Food quality(食品品質).

徳島大学 白井 昭博 他…121
講座
微生物を利用した有用物質生産 [6]環境微生物を活用した物質変換触媒
表題:
微生物を利用した有用物質生産 [6]環境微生物を活用した物質変換触媒
著者:
田島 誉久(広島大学大学院統合生命科学研究科)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.50,No.3,pp.129-134(2022)

酵素は一般的な生物代謝反応に加え,環境中の特異な生物から見出された様々な種類の特徴的反応を触媒するものもあり,それぞれ特異性の高い反応を行う。また,その多くの反応は穏やかな条件で進行することから化学的変換に比べて省エネルギーな変換プロセスを構築可能であり,工業的利用が期待されている。しかし,物質変換反応が生物の代謝反応と競合し,基質(原料)や補酵素等が変換反応以外にも利用されるために収率や生産性が低く,変換の効率性に関する課題が残されている。そこで本稿では様々な環境中の微生物やその酵素を活用し,変換系を顕在化させた触媒を構築することで物質変換の効率的を向上させた微生物・酵素触媒について紹介する。

Key words:Biocatalyst(生物触媒)/Metabolic engineering(代謝工学)/Environmental microorganism(環境微生物).

広島大学大学院 田島 誉久…129
紙上ミニシンポジウムⅤ
紙上ミニシンポジウムⅤ 〜微生物汚染から健康を守る切り札とは?〜 4.食中毒菌のリアルタイムPCR法による簡易迅速試験法
表題:
紙上ミニシンポジウムⅤ 〜微生物汚染から健康を守る切り札とは?〜 4.食中毒菌のリアルタイムPCR法による簡易迅速試験法
著者:
山本 明典,松澤 規文,松本 泉(メルク(株) バイオモニタリング事業部)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.50,No.3,pp.135-138(2022)

平成30年(2018年)6月13日に公布された食品衛生法等の一部を改正する法律では,原則として全ての食品等事業者において,HACCPに沿った衛生管理に取り組むことが盛り込まれた。事業者側においても,出荷等の検査において品質管理に求められる事項が年々厳しくなってきており,検査における簡便・迅速に結果を得ることが求められている。食中毒などの病原微生物を迅速に検査する手法の一つであるリアルタイムPCR法はサンプル中に特定の核酸領域が含まれるかどうかを蛍光強度としてリアルタイムに検出する方法である。本手法を用いる際にサンプルの前処理には多くの工程を必要であったが,免疫磁気分離(Immunomagnetic Separation:IMS)法を用いることにより,サンプル処理の省力化・短時間化を可能としている。またリアルタイムPCR工程でも複数の病原微生物を対象とする検査を簡便に高精度に解析が行なえるように工夫されていることから,病原微生物分析の実運用面での作業及び検出の効率化に寄与できるものと考える。

Key words:リアルタイムPCR法/食中毒菌検査/免疫磁気分離法(IMS法).

メルク(株) 山本 明典 他…135

会員の声-培養-
『名誉会員・篠田純男先生の『回想録~大学生活60年~』を読みて(その39)』…新井 一義…目次裏

海外文献抄録 …坂上 吉一…120

会報 …140

カレンダー …和文目次裏

【 English Contents 】 Vol.50,No.3 (2022)

Original Paper
Inactivation of SARS-CoV-2 by Iodine
by Koji ONOMOTO, Mitsutoshi YONEYAMA, Satoshi ASAKURA, Shinichi MATSUMOTO, and Tatsuo KAIHO…97
General Review
Vector Mosquitoes of Infectious Diseases and their Control.
by Hitoshi KAWADA…105
Lecture
Microbiological Control in Foods by Hurdle Technology (10) Hurdle Technology for Low Acid Beverage
by Fuyuki AOYAMA…113
Lecture
Safety and Security Science of Food -Microbial Contamination and Measures concerned with Food Manufacturing Sites and Food- (12) Application of Light-emitting Diodes (LEDs) for the Disinfection of Microorganisms and the Field of Food Sanitation
by Akihiro SHIRAI, and Mutsumi AIHARA…121
Lecture
Production of Useful Compounds using Microorganisms (6) Efficient Bioconversion by Environmental Microorganisms
by Takahisa TAJIMA…129
Mini-Journal SymposiumⅤ
What is the best way to protect health from microbial contamination? (4) Rapid Testing Method for Food Poisoning Bacteria by Real-time PCR
by Akinori YAMAMOTO, Norifumi MATSUZAWA, and Izumi MATSUMOTO…135
Member’s Voice-Cultivation-
by Kazuyoshi ARAI…Reverse Page of the Contents
Abstracts from Overseas Journals
by Yoshikazu SAKAGAMI…120
Society Activities
…140
Calendar
…Reverse Page of the Contents in Japanese
Vol.50, No.4 (2022)

【 目次 】

解説
低照度UV-Cによる静菌効果
表題:
低照度UV-Cによる静菌効果
著者:
内藤敬祐(ウシオ電機(株))
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.50,No.4,pp.141-145(2022)

紫外線による微生物の不活化には,低圧水銀灯から放射される254 nmの紫外線が広く使われてきたが,人体に照射すると皮膚ガンや白内障を引き起こす可能性があるため,有人環境での使用は避けられている。最近になって,200-230 nmの波長帯は人体への影響が少ないことが見いだされ,特に波長222 nmの紫外線は,微生物に対して高い不活化効果を示すが,生体に対する安全性が極めて高いことが複数の医療機関や大学で確認されている。その結果,各国で参照されているアメリカ産業衛生専門家会議にて紫外線の人体への許容曝露量の見直しが行われ,2022年版で波長222 nmの許容曝露量は22 mJ/cm2から158 mJ/cm2へと緩和された。微生物への殺菌効果と人体に対する安全性について科学的な裏付けが進み,市場でも波長222 nmを放射する除菌器具が登場し,今後様々な活用が期待されている。本稿では波長222 nmの光源とその安全性,一般に紫外線耐性が高いと言われる真菌に対して低照度の照射で顕著な成長抑制作用が現れたことを解説する。

Key words:UV-C/222nm/KrClエキシマランプ/真菌/静菌.

ウシオ電機(株) 内藤 敬祐…141
解説
化粧品・医薬部外品の微生物制御 -本や文献にあまり載っていない情報を集めてみました-
表題:
化粧品・医薬部外品の微生物制御 -本や文献にあまり載っていない情報を集めてみました-
著者:
大河正樹(大河微生物研究所)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.50,No.4,pp.147-153(2022)

微生物の知識や技術の修得には経験が必要と言われることが多いが,その理解を少しでも早く深めるために知っておいた方がいいのに,本や文献にあまり載っていないと思われる題材を取り上げてみた。微生物試験は適切な方法で実施してもばらつく,菌の名前が分かってもその菌の性質が全て分かるわけではない,保管中の環境により増えたり減ったりしていることを考慮した判断が必要,基準に合格しているから…だけで判断するのは危険,製造工程管理においては,作業環境よりも機器類の管理が重要,培養日数に注意!チャレンジテストは菌の消長を追跡するだけの試験だが,実は非常に難しくちょっとした条件の違いで結果が大きく異なる,防腐処方設計においては処方解析が大切,類似処方を解析し適正範囲を見極めよ…等々,項目によっては深いところまで考察を加えた。微生物を取り扱っている方々に参考となれば幸いである。

Key words:Microbial Control(微生物制御)/Microbiological Limits(微生物限度基準)/Microbiological Limit Test(微生物限度試験)/Preservation efficacy test(保存効力試験)/Preservative design(防腐設計).

大河微生物研究所 大河 正樹…147
講座
第2回:微生物との戦いは永遠につづく! [5]放射線殺滅菌で微生物との戦いに挑む -芝崎先生の思い出とともに-
表題:
第2回:微生物との戦いは永遠につづく! [5]放射線殺滅菌で微生物との戦いに挑む -芝崎先生の思い出とともに-
著者:
古田雅一(大阪府立大学 研究推進機構 放射線研究センター)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.50,No.4,pp.155-158(2022)

徳島市で1986年5月27~29日に開催された日本防菌防黴学会第14回年次大会で初めて芝崎先生との初めての出会いであった。その後,芝崎先生は,筆者が参画した放射線利用の産学官連携を目的とした放射線利用促進協議会(JAPI)の副会長に就任され,私の専門である放射線殺滅菌のみならず,様々な殺滅菌法について広範囲な活動において芝崎先生から様々な指導や研究に関する示唆を頂いた。一方,放射線滅菌は60Coガンマ線から電子線照射に利用が拡大し,合わせて10施設以上の滅菌用照射施設が稼動し、施設を持たない事業者も滅菌受託会社に委託することにより容易に放射線滅菌を導入できる。本稿ではこれらの状況の推移や筆者自身の研究の経験を踏まえ,放射線殺菌の立場から芝崎先生の思い出を述べた。

Key words:Radiation sterilization/Microorganisms.

大阪府立大学 古田 雅一…155
講座
微生物を利用した有用物質生産 [7]バイオ水素生産技術の研究開発
表題:
微生物を利用した有用物質生産 [7]バイオ水素生産技術の研究開発
著者:
寺本陽彦,乾 将行(公益財団法人地球環境産業技術研究機構)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.50,No.4,pp.159-166(2022)

バイオ水素生産は水素社会の実現に必須なCO2フリー水素製造技術として期待され,世界各国でその研究開発が進められてきたが,生産性が低いことが課題であり,経済性ある生産プロセスは未だ確立していない。著者らは暗発酵水素生産と光発酵水素生産を組み合わせたセルロース系バイオマスからの高効率バイオ水素生産プロセスの確立を目指し,代謝工学による水素生産微生物の改良に取り組んでいる。本稿では,大腸菌を用いたバイオマス由来糖類からの暗発酵水素生産に関して,異種水素生成酵素の導入,および,コーンストーバーの糖化工程で生成する発酵阻害物質の影響について解説する。また,暗発酵水素生産で副生する酢酸から光発酵により水素を生産できる紅色非硫黄細菌Rhodobacter sphaeroidesに関して,酢酸資化経路の改変,炭素貯蔵物質合成酵素の破壊,水素生成酵素発現強化,炭酸固定経路の破壊の影響について解説する。

Key words:Hydrogen production(水素生産)/Dark fermentation(暗発酵)/Photofermentation(光発酵)/Metabolic engineering(代謝工学).

(公財)地球環境産業技術研究機構 寺本 陽彦 他…159
講座
滅菌・無菌性保証と滅菌バリデーションの現状 [1]殺菌滅菌等におけるコンプライアンスとマネジメントについて
表題:
滅菌・無菌性保証と滅菌バリデーションの現状 [1]殺菌滅菌等におけるコンプライアンスとマネジメントについて
著者:
山瀬 豊(住重アテックス(株))
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.50,No.4,pp.167-173(2022)

近年,社会環境の変化とともに,企業等の社会的責任として,コンプライアンス遵守,環境負荷低減などはとても重要なキーワードとなっている。その背景は,近年の企業のコンプライス違反に伴う不祥事等や,それらにともなう企業の持続性リスクや,国際的なCO2削減,SDGs等の推奨に伴う環境への配慮,環境負荷低減に対する意識の高まりなどが関係していると思われる。また,最近の新型コロナウイルス対策としての除菌,殺菌,消毒などの用語も多く目にするがその適正な使用もコンプライアンスとして注意が必要である。本稿では,殺菌,滅菌等に係る製品,製造プロセスなどのコンプライアンス遵守とリスクなどを考慮したマネジメントについて考える。

Key words:殺菌/消毒/滅菌/コンプライアンス順守/マネジメント.

住重アテックス(株) 山瀬 豊…167
講座
第48回年次大会(特別講演・教育講演・基礎講座)講座
はじめに
編集委員長 渡部 一仁…175
講座
[1]HACCPによる食品の衛生管理 -コーデックス規格の改訂と日本における制度化-
近畿大学 泉 秀実…177

会員の声-培養-
『名誉会員・篠田純男先生の『回想録~大学生活60年~』を読みて(その40)』…新井 一義…目次裏

海外文献抄録 …坂上 吉一…146

会報 …182

カレンダー …和文目次裏

【 English Contents 】 Vol.50,No.4 (2022)

Commentary
Bacteriostatic Effect by Low Illumination UV-C
by Keisuke NAITO…141
Commentary
Microbe Control of Cosmetics and Quasi-drug -Collection of Information not so much Publised in Books and Documents-
by Masaki OKAWA…147
Lecture
The second: Battle against Microorganisms Continues Forever ! (5) Challenging the Fight with Microbe by Radiation Homicide Sterilization -With a Memory of Prf. & Dr. Shibasaki-
by Masakazu FURUTA…155
Lecture
Production of Useful Compounds using Microorganisms (7) Research and Development of Bio-hydrogen Production Technology
by Haruhiko TERAMOTO, and Masayuki INUI…159
Lecture
Current Situation about Guarantee of Sterilization・Abacterial Sterilization and Sterilization Validation (1) About Compliance and Management in Sterilization
by Yutaka YAMASE…167
Lecture
Magazine Lectures Presented in the 48th Annual Conference (Special Lecture, Education Lecture, and Basic Lecture) Preface
by Kazuhito WATABE…175
Lecture
(1) HACCP as a Food Safety Control Program -Revised Codex Standards and Mandatory Implementation in Japan-
by Hidemi IZUMI…177
Member’s Voice-Cultivation-
by Kazuyoshi ARAI…Reverse Page of the Contents
Abstracts from Overseas Journals
by Yoshikazu SAKAGAMI…146
Society Activities
…182
Calendar
…Reverse Page of the Contents in Japanese

Vol.50, No.5 (2022)



【 目次 】

解説
感染対策のための手洗い
表題:
感染対策のための手洗い
著者:
山本恭子(元園田学園女子大学)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.50,No.5,pp.183-187(2022)

手洗いは1985年CDCガイドラインにおいて,院内感染防止のために最も重要で基本的な行為であると提言されて以来,感染対策の要として認識されている。石けんと流水を用いた手洗いの除菌効果は,手洗いのスキルにより大きな影響を受ける。石けんと流水による手洗いでは,十分な「すすぎ」と「乾燥」が除菌効果を上げるために重要である。また,市中での感染対策のために,一般市民向けには手洗い方法の講習が必要である。さらに,認知症や要介護の対象が利用する高齢者介護施設では,まんべんなく擦る,十分なすすぎ,乾燥の3つのポイントに的を絞った説明や,擦式アルコール製剤の使用にあたっても,手の平全体に噴霧する工夫が有効である。感染対策を推進するには,対象に合わせた方法を提案することが重要である。

Key words:Infection control(感染対策)/Hand washing(手洗い)/Hand hygiene(手指消毒).

元園田学園女子大学 山本 恭子…183
解説
ヨウ素の基礎知識から最近の話題まで
表題:
ヨウ素の基礎知識から最近の話題まで
著者:
海宝龍夫((株)合同資源)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.50,No.5,pp.189-195(2022)

日本はヨウ素系消毒薬の原料であるヨウ素の主要生産国である。本稿では,まずヨウ素の資源,性質,生産,製造法などについて解説する。つぎに最近注目されているハロゲン結合とヨウ素含有医薬品や消毒薬の関係を解説する。ヨウ素は安定ハロゲン元素の中でもハロゲン結合能がもっとも高く,ヨウ素系医薬品の活性発現あるいは副作用にはハロゲン結合が深く関わっている。ハロゲン結合を利用した医薬品(抗悪性腫瘍薬)開発やヨウ素系消毒薬の活性発現とハロゲン結合能の関わりについて紹介する。

Key words:ヨウ素/生産/製造法/用途/ハロゲン結合.

(株)合同資源 海宝 龍夫…189
解説
HACCP制度化の実施と今後の展開
表題:
HACCP制度化の実施と今後の展開
著者:
奥田貢司(名城大学農学部 応用生物化学科 非常勤講師),林 利哉(名城大学農学部 応用生物化学科 教授)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.50,No.5,pp.197-203(2022)

食品衛生が改正され,2020年6月よりHACCP制度化が本格的にスタートすることになっていた。世界的なパンデミックとなった新型コロナウイルス(COVID-19)のまん延により,HACCP制度化の対応は遅れている。中小食品事業者に対する実施状況と今後の展開について考察する。

Key words:HACCP制度化/食品衛生法改正/営業許可更新/食品衛生監視票.

名城大学 奥田 貢司 他…197
講座
食の安全・安心科学 -食品製造現場・食品にかかわる微生物汚染とその対策- [14]光触媒を利用した微生物制御と食品衛生分野への応用
表題:
食の安全・安心科学 -食品製造現場・食品にかかわる微生物汚染とその対策- [14]光触媒を利用した微生物制御と食品衛生分野への応用
著者:
森田 洋(北九州市立大学 国際環境工学部 環境生命工学科)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.50,No.5,pp.205-211(2022)

光触媒は,光の照射により触媒反応を示す物質の総称であり,強力な酸化還元能力により有機物を分解することから,環境・衛生分野などへの利用が進んでいる。代表的な光触媒活性物質として酸化チタンが知られているが,近年は窒素や炭素,硫黄などをドープすることにより可視光領域においても効果を発揮することのできる可視光応答型光触媒の開発が進んでいる。そこで本稿では,筆者が研究を進めてきた硫黄カチオンをドープした酸化チタン(S-TiO2)の黄色ブドウ球菌や大腸菌,レジオネラ菌に対する殺菌効果について概説をし,高速フレーム低温溶射法やスプレーコーティング法による光触媒の固定化やアルギン酸ゲルに光触媒を包括固定化する手法などを紹介しながら,室内環境(公衆トイレ)や種子殺菌(カイワレダイコン種子)への応用研究例について解説を行った。

Key words:Photocatalyst(光触媒)/S-doped titanium dioxide(S-TiO2)/Thermal spraying(溶射)/Spray coating(スプレーコーティング)/Indoor environment(室内環境)/Public lavatory(公衆トイレ)/Seed disinfection(種子消毒)/Bacteria(細菌).

北九州市立大学 森田 洋…205
講座
第48回年次大会(特別講演・教育講演・基礎講座)講座 [2]赤潮問題について
表題:
第48回年次大会(特別講演・教育講演・基礎講座)講座 [2]赤潮問題について
著者:
前田広人(鹿児島大学名誉教授)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.50,No.5,pp.213-217(2022)

世界的な水産物の需要増大に対応して,日本はこれまで以上に国内での安定供給の方法を確立する必要に迫られている。そして,いわゆる資源ナショナリズムとしての地球規模の天然魚の漁獲競争が激化する中にあって,養殖による水産物供給が重要になることは明らかである。日本ばかりではなく,世界的な魚介類の水産養殖において,赤潮は依然としてもっとも大きな脅威である。ここではまず最近の赤潮の発生状況を解説する。そして,赤潮対策法の動向とその問題点について考察し,今後の課題について述べてみたい。

Key words:赤潮/発生状況/対策法.

鹿児島大学名誉教授 前田 広人…213
ポスター賞<受賞研究>
野菜の薬剤耐性菌数の調査と低減効果に関する研究
近畿大学大学院 小松 華子…219
ポスター賞<受賞研究>
ヒノキチオールの連続使用による大腸菌の薬剤耐性化に関する研究
近畿大学大学院 井口 恒輝…221

会員の声-培養-
『名誉会員・篠田純男先生の『回想録~大学生活60年~』を読みて(その41)』…新井 一義…目次裏

海外文献抄録 …坂上 吉一…196

会報 …224

カレンダー …和文目次裏

【 English Contents 】 Vol.50,No.5 (2022)

General Review
Hand Washing and Hand Hygiene for Infection Prevention
by Yukiko YAMAMOTO…183
Commentary
From Basic Knowledge of Iodine to a Recent Topics
by Tatuo KAIHOU…189
Commentary
Enforcement of HACCP Institutionalization and Future Development
by Kouzi OKUDA, and Toshiya HAYASHI…197
Lecture
Safety and Security Science of Food -Microbial Contamination and Measures concerned with Food Manufacturing Sites and Food- (14) Microorganism Control using Photocatalyst and Application to Food Hygienic Field
by Hiroshi MORITA…205
Lecture
Magazine Lectures Presented in the 48th Annual Conference (Special Lecture, Education Lecture, and Basic Lecture) (2) About a Red Tide Problem
by Hiroto MAEDA…213
Poster Prize Receiving Study
An Investigation of Number of Drug Resistant Bacteria in Vegetables and Study on Reduction Effect
by Hanako KOMATU…219
Poster Prize Receiving Study
Study on Drug Resistance of Escherichia coli by Consecutive Use of Hinokitiol
by Kouki IGUCHI…221
Member’s Voice-Cultivation-
by Kazuyoshi ARAI…Reverse Page of the Contents
Abstracts from Overseas Journals
by Yoshikazu SAKAGAMI…196
Society Activities
…224
Calendar
…Reverse Page of the Contents in Japanese

Vol.50, No.6 (2022)



【 目次 】

原著論文
DEAMをカチオン性モノマーとした機能性ポリマーのアカントアメーバに対する抗アメーバ効果
表題:
DEAMをカチオン性モノマーとした機能性ポリマーのアカントアメーバに対する抗アメーバ効果(原著論文)
著者:
牛島あかね,惠良真理子,森田 洋(北九州市立大学・国際環境工学部),仁科 彰((株)日本触媒)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.50,No.6,pp.225-232(2022)

本研究ではメタクリル酸ジエチルアミノエチル(DEAM)をカチオン性モノマーとして,疎水性モノマーをそれぞれアクリル酸ブチル(BA),アクリル酸イソブチル(iso-BA),アクリル酸t-ブチル(tert-BA),メタクリル酸エチル(EMA)とした機能性ポリマーを合成し,アカントアメーバに対する抗アメーバ効果について検討を行った。DEAM/BA(組成比:80/20)が最も高い抗アメーバ効果を有しており,最小殺アメーバ濃度は0.63 wt%であった。またポリマーを構成するDEAMに対して,有効な疎水性モノマーが存在するものの,カチオン性部分と疎水性部分のバランス(組成比)が重要であることが示唆された。本ポリマーの作用機序はプラスマレンマの破壊であることが明らかとなり,汚染ソフトコンタクトレンズ(SCL)を用いた実証試験において,2.5 wt%のポリマー濃度でアメーバの検出が認められなくなったことから,SCLにおけるマルチ・パーパス・ソリューションの殺アメーバ剤としての利用可能性が期待できる。

Key words:Amebicidal activity(抗アメーバ活性)/Functional polymer(機能性ポリマー)/Acanthamoeba castellanii/MPS(マルチ・パーパス・ソリューション)/Soft contact lens(ソフトコンタクトレンズ).

北九州市立大学 牛島 あかね 他…225
解説
Listeria monocytogenesの検出・検査法と衛生管理
表題:
Listeria monocytogenesの検出・検査法と衛生管理
著者:
下島優香子(相模女子大学)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.50,No.6,pp.233-240(2022)

Listeria monocytogenesはリステリア症の原因菌で,主に汚染食品等の喫食により感染し,重症化すると致死率が15~20%に及ぶ。欧米では食品媒介集団事例が多発しており,国内でも年間200症例程度の発生が推定される。本菌は低温増殖能があり,低温保存して喫食直前に加熱工程がない食品(ready-to-eat食品)が問題となる。わが国では,ナチュラルチーズ(ソフトおよびセミハード)と非加熱食肉製品に100 CFU以下/gの成分規格があり,国際的な標準試験法であるISO法に準じた試験法が公定法となっている。しかしその方法は手間や時間を要し,食品の安全を確保するためには目的に応じて第三者認証機関により妥当性が確認された代替試験法の導入が望ましい。L. monocytogenesの衛生管理については,コーデックス,USDA/FSIS,FDA等からガイドラインが出ており,その中で食品製造施設における環境モニタリングプログラム(EMP)が推奨されている。EMPはHACCPシステムにおいても重要な意義がある。

Key words:Listeria monocytogenes(リステリア・モノサイトゲネス)/Ready-to-eat food(RTE食品)/Third-party certification(第三者認証)/Environmental monitoring program(環境モニタリングプログラム)/HACCP(ハサップ).

相模女子大学 下島 優香子…233
講座
滅菌・無菌性保証と滅菌バリデーションの現状 [2]医薬品等の無菌性保証とパラメトリックリリースの推奨
表題:
滅菌・無菌性保証と滅菌バリデーションの現状 [2]医薬品等の無菌性保証とパラメトリックリリースの推奨
著者:
山瀬 豊(住重アテックス(株))
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.50,No.6,pp.241-245(2022)

本稿では,医薬品,医療機器等の滅菌,無菌性保証についてフォーカスし,滅菌処理製品からの抜き取り無菌試験での無菌性保証の限界とともに,日本薬局方において無菌性保証ではパラメトリックリリースが推奨される要因などPIC/S,日本薬局方等の動向も踏まえ解説する。また,これらの無菌性保証の考え方は化粧品,食品製造,包装材等の殺菌,無菌化,アセプティック製造等での微生物汚染防止対策,汚染要因分析,品質レベル向上においても参考となればと考える。

Key words:滅菌/無菌性保証/パラメトリックリリース/滅菌バリデーション.

住重アテックス(株) 山瀬 豊…241
講座
食の安全・安心科学 -食品製造現場・食品にかかわる微生物汚染とその対策- [15]マイクロバブルを利用した微生物制御と食品衛生分野への応用
表題:
食の安全・安心科学 -食品製造現場・食品にかかわる微生物汚染とその対策- [15]マイクロバブルを利用した微生物制御と食品衛生分野への応用
著者:
小林史幸(日本獣医生命科学大学・応用生命科学部)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.50,No.6,pp.247-254(2022)

マイクロバブル(MB)やファインバブルなどと呼ばれる微細気泡が様々な分野で研究・利用されている。その中でオゾン(O3)MBが様々な分野での微生物制御に広く使われている。O3MBの高い殺菌効果はO3自体の強力な酸化力に加えて,MBの高い溶解性・持続性,OHラジカルの発生などに起因するとされている。しかしながら,食品(青果物)に対しての効果は限定的であり,改良の余地がある。また,筆者らは加圧二酸化炭素(CO2)殺菌にMBを組み込んだCO2MBを考案し,清酒の殺菌技術として実用化した。しかしながら,清酒以外の食品ではタンパク質変性,物性変化などを生じるため,応用を展開するためには処理条件などを再考する必要がある。CO2MBの殺菌メカニズムについては,細胞膜損傷に伴った細胞質の漏出,細胞内酸性化,酵素失活などを引き起こすことを明らかにしているが,致命傷となる要因はわかっておらず,さらなる原因解明が必要である。

Key words:Microbubble(マイクロバブル)/Pressurized carbon dioxide(加圧二酸化炭素)/Ozone(オゾン).

日本獣医生命科学大学 小林 史幸…247
講座
第48回年次大会(特別講演・教育講演・基礎講座)講座 [4]レジオネラ症の原因菌,レジオネラ属菌を知る
表題:
第48回年次大会(特別講演・教育講演・基礎講座)講座 [4]レジオネラ症の原因菌,レジオネラ属菌を知る
著者:
古畑勝則(麻布大学 生命・環境科学部 微生物学研究室)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.50,No.6,pp.255-266(2022)

我国で,はじめてレジオネラ症が発症したのは1980年10月28日である。その後,40年あまりを経過した現在でも発症数は残念ながら右肩上がりである。感染源となる様々な水環境では微生物制御が盛んに行われているが一向に減少する兆しはない。もう一度,レジオネラ属菌の特性を十分に理解したうえで感染対策を講じていただきたい。今回の稚稿がその一助になれば幸いである。

Key words:Legionella spp.(レジオネラ属菌)/Bacteriological characteristics(細菌学的特徴)/Legionellosis(レジオネラ症).

麻布大学 古畑 勝則…255
ポスター賞受賞研究
シリコーンゴム透過性を利用した非解離型次亜塩素酸の抽出と殺菌への応用
三重大院 嶋田 千里…267

会員の声-培養-
『名誉会員・篠田純男先生の『回想録~大学生活60年~』を読みて(その42)』…新井 一義…目次裏

海外文献抄録 …坂上 吉一…246

会報 …270

カレンダー …和文目次裏

【 English Contents 】 Vol.50,No.6 (2022)

Original Paper
Amebicidal Effects with regard to Acanthamoeba castellanii of Polymers Containing the Cationic Monomer DEAM
by Akane USHIJIMA, Mariko ERA, Akira NISHINA, and Hiroshi MORITA…225
Commentary
Hygiene Control and Rapid Method of Listeria monocytogenes
by Yukako SHIMOJIMA…233
Lecture
Current Situation about Guarantee of Sterilization・Abacterial Sterilization and Sterilization Validation (2) Abacterial Guarantees of Pharmaceutical Products and Recommendation of Parametric Release
by Yutaka YAMASE…241
Lecture
Safety and Security Science of Food -Microbial Contamination and Measures concerned with Food Manufacturing Sites and Food- (15) Microbial Control using Microbubble and its Application to Food Hygiene
by Fumiyuki KOBAYASHI…247
Lecture
Magazine Lectures Presented in the 48th Annual Conference (Special Lecture, Education Lecture, and Basic Lecture) (4) The Causative Agent of Legionellosis, Let’s learn Legionella spp.
by Katsunori FURUHATA…255
Poster Prize Receiving Study
Extraction of the Non-dissociation Type Hypochlorous Acid using Silicone Gum Permeability and Application to Sterilization
by Chisato SHIMADA…267
Member’s Voice-Cultivation-
by Kazuyoshi ARAI…Reverse Page of the Contents
Abstracts from Overseas Journals
by Yoshikazu SAKAGAMI…246
Society Activities
…270
Calendar
…Reverse Page of the Contents in Japanese

Vol.50, No.7 (2022)



【 目次 】

原著論文
ドライエイジングビーフの香気に及ぼす真菌の影響
表題:
ドライエイジングビーフの香気に及ぼす真菌の影響(原著論文)
著者:
中川麻衣,小室春菜,中島誠人,猪口由美(一般社団法人食肉科学技術研究所),高鳥浩介(NPO法人カビ相談センター)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.50,No.7,pp.271-275(2022)

ドライエイジングビーフの熟成香に真菌が及ぼす影響に注目し熟成期間中における香りと真菌の経時的変化を調査した。試料は熟成10日経過後熟成香が上昇するとともに,試料から好冷性真菌であるThamnidium elegansMucor strictusが検出された。分離されたM. strictusを5℃で20日間培養したところ,熟成香と同様の強いナッツ臭が集落より発生したことより真菌が食肉に熟成香を付与している可能性が考えられた。また,T. elegansM. strictusは酵素産生性を有しており,15日間以上の熟成を行うことにより低温下でも反応が進むことが確認できた。真菌の酵素産生に必要な期間が熟成香の発現に至るまでの期間と一致することより酵素反応も熟成香に影響を与えている可能性が示され熟成香は真菌の酵素産生性とM. strictusの産生する香りが関係していることが示唆された。特にM. strictusの存在は熟成香の付与に大きく影響していると思われた。真菌をコントロールすることにより熟成香を効率的に付与できる可能性が示された。

Key words:Dry Aging Beef(ドライエイジングビーフ)/Molds(真菌)/Flavor(芳香)/Psychrophilic(低温性).

(一社)食肉科学技術研究所 中川 麻衣 他…271
原著論文
炭素数の異なるアルコール11種を用いた殺菌効果の検討
表題:
炭素数の異なるアルコール11種を用いた殺菌効果の検討(原著論文)
著者:
小武海麻衣(東京医療保健大学大学院 医療保健学研究科 感染制御学,聖路加国際病院 看護部 手術室),岩澤篤郎,松村有里子(東京医療保健大学大学院 医療保健学研究科 感染制御学)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.50,No.7,pp.277-283(2022)

アルコールは,飲食用,医療用,および化学工業用など幅広い分野で使用されている。医療用の中でも殺菌を目的としてエタノールやイソプロパノールが用いられているが,常温で保存される液体のアルコールは約20種類あり,殺菌効果が明らかになっているのはごく一部であると言える。本研究では炭素原子数1~5つのアルコールと微生物を用い殺菌試験を実施し,アルコールの構造や炭素原子数の増減が殺菌に与える影響を検討した。殺菌効果はヒドロキシ基の置換位置やアルコールの疎水性が影響しているが,疎水性が高すぎても低すぎても殺菌効果は発揮できず,アルコールの殺菌効果は限界があることが明らかとなった。

Key words:Alcohol disinfection(アルコール消毒)/Microbicidal effectiveness(殺菌効果)/Alcohol Structure(アルコールの構造)/Hydrophobicity(疎水性)/Chemical properties(化学的性質).

東京医療保健大学大学院 小武海 麻衣 他…277
原著論文
チルド流通する「うずら卵水煮製品」の保存性向上に向けたPaenibacillus odorifer芽胞に対する酢酸ナトリウム・グリシン製剤による静菌効果
表題:
チルド流通する「うずら卵水煮製品」の保存性向上に向けたPaenibacillus odorifer芽胞に対する酢酸ナトリウム・グリシン製剤による静菌効果(原著論文)
著者:
長田 隆,池田直樹,(南九州大学 健康栄養学部 食品開発科学科),早川浩樹,市川貴子,(天狗缶詰(株)),山口敏季(公益社団法人日本缶詰びん詰レトルト食品協会研究所)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.50,No.7,pp.285-290(2022)

チルド流通する「うずら卵水煮製品」の消費期限延長の検討をするに当たって,チルド食品の変敗原因菌とされるPaenibacillus odoriferの性状について調べた。未殺菌の試作品からP. odorifer 2株を分離し,標準菌株2株を加えた計4株を供試菌株として用いた。ブドウ糖ブイヨン(GB)培地中におけるP. odoriferの発育性状は,1℃でも発育し,発育に30日要した。また,初発芽胞数の違いによって最低発育温度に変化がみられた。0.067Mリン酸緩衝液(pH 7.0)中における芽胞の耐熱性では,供試3004株の$D_{92.5℃}$が262.8分と極端に強く,チルド食品を対象とする低温加熱殺菌で殺滅させるのは不可能であった。そこで酢酸ナトリウム・グリシン製剤を用いて静菌効果を調べた結果,1.1%の濃度で静菌効果がみられた。

Key words:Paenibacillus属細菌/耐熱性/芽胞/酢酸ナトリウム・グリシン製剤/チルド食品.

南九州大学 長田 隆 他…285
講座
食の安全・安心科学 -食品製造現場・食品にかかわる微生物汚染とその対策- [16]食品の化学的(天然由来物質による)保存技術
表題:
食の安全・安心科学 -食品製造現場・食品にかかわる微生物汚染とその対策- [16]食品の化学的(天然由来物質による)保存技術
著者:
澤井 淳(神奈川工科大学 健康医療科学部 管理栄養学科)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.50,No.7,pp.291-296(2022)

近年の健康志向および安全・安心志向に伴い,「天然由来」という響きが持つ「安全性が高い」また「人体・環境へ優しくて穏やか」というイメージから,天然物由来の抗菌物質に対する注目が高まっている。ここでは,植物由来として精油,香辛料抽出物,ポリフェノール,動物・微生物由来としてプロタミン,ポリリジン,リゾチーム,キトサン,ナイシン,そして無機物として焼成カルシウムの代表的な天然系抗菌物質について概説した。

Key words:Antimicrobial agent(抗菌剤)/Food additives(食品添加物)/Natural Antimicrobial substance(天然抗菌物質).

神奈川工科大学 澤井 淳…291
講座
第48回年次大会(特別講演・教育講演・基礎講座)講座 [3]芽胞形成細菌の基礎知識 〜芽胞(スポア)は微生物界のスーパーマン〜
表題:
第48回年次大会(特別講演・教育講演・基礎講座)講座 [3]芽胞形成細菌の基礎知識 〜芽胞(スポア)は微生物界のスーパーマン〜
著者:
渡部一仁(摂南大学名誉教授)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.50,No.7,pp.297-304(2022)

芽胞形成細菌の基礎と最新の話題を概説。芽胞は高い物理的・化学的抵抗性を示すためその殺滅には困難を伴い,食中毒や院内感染,食品製造過程での汚染対策と微生物制御において難題の細菌群である。栄養分の枯渇などが引き金となり芽胞形成が開始され,情報伝達系の「多成分リン酸リレー系」と転写制御のシグマ因子による「シグマカスケード」が働き,シグマ因子と芽胞形成遺伝子が三次元的に時期特異的/部位特異的に細胞内で逐次発現されて芽胞形成が進行する。休眠状態の芽胞は,ひとたびアミノ酸や糖などと接触すると速やかに発芽して栄養増殖細胞に復帰する。発芽には種々の受容体たんぱく質が関与している。芽胞の示す抵抗性のメカニズムや芽胞の静菌・殺滅対策についても概説する。

Key words:芽胞形成細菌/芽胞形成機構/発芽機構/芽胞の抵抗性/芽胞の静菌・殺滅対策.

摂南大学名誉教授 渡部 一仁…297
Biocontrol Science 和文解説
Oakmoss成分のアメーバ内外のLegionella pneumophilaとAcanthamoeba castellaniiに対する効果
表題:
Biocontrol Science Vol.27 No.1 和文解説:Oakmoss成分のアメーバ内外のLegionella pneumophilaとAcanthamoeba castellaniiに対する効果
著者:
野村陽恵(城西大学薬学部病原微生物学研究室)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.50,No.7,pp.305-308(2022)

Acanthamoeba castellaniiはヒトに対して病原性を示すだけでなく,Legionella属細菌の宿主である。天然香料Oakmossとその成分は,Legionella属細菌に対して特異的に抗菌活性を示す。また,それらがA. castellanii中のL. pneumophilaL. pneumophilaが感染したA. castellaniiに対しても効果を示すことを明らかとした。化合物1,2及び8は,アメーバ内外のL. pneumophilaL. pneumophilaの感染したA. castellaniiを減少させた。対照的に,化合物5はアメーバ内外のL. pneumophilaを減少させたが,L. pneumophilaの感染したA. castellaniiの減少は認められなかった。これらのことから,Oakmossの成分は,レジオネラ感染症対策のための新たな消毒薬の候補となり得る事が示唆された。

Key words:Legionella pneumophila/Acanthamoeba castellanii/Oakmoss/Antibacterial activity(抗菌活性)/Amoebicidal activity(殺アメーバ活性).

城西大学 野村 陽恵…305
Biocontrol Science 和文解説
「長期保存改良型ヨウ化物製剤におけるヒドロキシルラジカル生成に関する特異的DMPO-OH付加体シグナルの形成」について
表題:
Biocontrol Science Vol.27 No.1 和文解説:「長期保存改良型ヨウ化物製剤におけるヒドロキシルラジカル生成に関する特異的DMPO-OH付加体シグナルの形成」について
著者:
木田 中(キレート細菌研究所)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.50,No.7,pp.309-310(2022)

長期保存改良型ヨウ化物製剤は11年余りの保存にも拘わらず満足できる殺芽胞活性を残存していた。この試料にヒドロキシルラジカル生成があるかどうか電子スピン共鳴(ESR)法で確認した結果,特徴的なシグナル(1:2:2:1)を検出した。この製剤は,ヒドロキシルラジカル生成の観点から言えば過酸化水素や過酢酸と類似するが,蒸留過程或いは長期保存中に過酸化水素が生成されるかどうかについては更なる検討を要する。芽胞コントロールは多方面の分野で求められる知見と技術でもあることから,この解説文が関係する方々に少しでも興味を持って頂くきっかけとなるとともに更なる追試等を加えていただければ大変嬉しく思う。

Key words:Hydroxyl radical(ヒドロキシルラジカル)/Sporicidal activity(殺芽胞活性).

キレート細菌研究所 木田 中…309

会員の声-培養-
『名誉会員・篠田純男先生の『回想録~大学生活60年~』を読みて(その42)』…新井 一義…目次裏

海外文献抄録 …坂上 吉一…311

図書紹介
『第18改正 図説 日本薬局方微生物試験法の手引き』…三瀬 勝利…312
『オゾンは健康を育む』…坂上 吉一…313

会報 …314

カレンダー …和文目次裏

【 English Contents 】 Vol.50,No.7 (2022)

Original Paper
Effect of Molds on the Aroma of Dry-aging Beef
by Mai NAKAGAWA, Haruna KOMURO, Yoshito NAKASHIMA, Yumi INOGUCHI, and Kousuke TAKATORI…271
Original Paper
A Study of the Bactericidal Effects of 11 Types of Alcohols with Different Numbers of Carbon Atoms
by Mai KOBUKAI, Atsuo IWASAWA, and Yuriko MATSUMURA…277
Original Paper
Use of a Sodium Acetate and Glycine Preparation as a Spore-eliminating Additive for Paenibacillus odorifer to Extend the Shelf Life of Hard-boiled Quail Eggs
by Takashi OSADA, Naoki IKEDA, Hiroki HAYAKAWA, Takako ICHIKAWA, and Toshiki YAMAGUCHI…285
Lecture
Safety and Security Science of Food -Microbial Contamination and Measures concerned with Food Manufacturing Sites and Food- (16) Chemical Preservation Techniques for Foods with Natural Antimicrobial Substances
by Jun SAWAI…291
Lecture
Magazine Lectures Presented in the 48th Annual Conference (Special Lecture, Education Lecture, and Basic Lecture) (3) Basic Knowledge of Spore-forming Bacteruim 〜Bacterial Spore is a Superman in the Microbial World〜
by Kazuhito WATABE…297
Summary of Biocontrol Science
Effects of Oakmoss Components on Extra- and Intracellular Legionella pneumophila and Its Host Acanthamoeba castellanii
by Harue NOMURA…305
Summary of Biocontrol Science
Formation of a Specific DMPO-OH Adduct Signal Related to Hydroxy Radical Generation in a Long Term Stored Improved Iodide Formulation
by Nori KIDA…309
Member’s Voice-Cultivation-
by Kazuyoshi ARAI…Reverse Page of the Contents
Abstracts from Overseas Journals
by Yoshikazu SAKAGAMI…311
Book Review
by Katutoshi MISE…312
by Yoshikazu SAKAGAMI…313
Society Activities
…314
Calendar
…Reverse Page of the Contents in Japanese

Vol.48, No.8 (2020)



【 目次 】

原著論文
DEAMをカチオン性モノマーとしたポリマーの室内汚染カビに対する抗カビ効果
表題:
DEAMをカチオン性モノマーとしたポリマーの室内汚染カビに対する抗カビ効果(原著論文)
著者:
西村穂乃果(北九州市立大学大学院 国際環境工学研究科),逸見暁子((株)日本触媒),森田 洋(北九州市立大学 国際環境工学部)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.48,No.8,pp.343-349(2020)

カチオン性モノマーのメタクリル酸ジエチルアミノエチル(DEAM)を含むポリマーの室内汚染カビに対する抗カビ効果の検討を行った。その結果,DEAM/BAおよびDEAM/iso-BAのポリマーはC. cladosporioidesに対する胞子発芽阻害効果を示した。また疎水性モノマーとの組み合わせや疎水性含量を変化させることで,胞子発芽阻害効果に大きな影響を与えることが明らかとなり,ポリマー内の疎水性とカチオン性のバランスの重要性が示された。またDEAM/BAポリマーでは,C. cladosporioides胞子の発芽を阻害する濃度よりも低濃度で菌糸体の成長を阻害することがわかった。A. brasilliensisに対してはどのポリマーも胞子発芽阻害効果を示さなかったが,菌糸体の成長はDEAM/BA濃度2.5 wt%で完全に阻害した。顕微鏡による形態変化の観察より,ポリマーの影響で菌糸体が膨張したり,隔壁がなく変形している様子が確認され,菌糸体の数の減少も認められた。これらの結果から,DEAM/BAポリマーの室内汚染カビの菌糸体の成長阻害効果を有していることが明らかとなった。

Key words:Antifungal polymers(抗カビポリマー)/DEAM(メタクリル酸ジエチルアミノエチル)/Cladosporium cladosporioides/Aspergillus brasiliensis/Antifungal effect(抗カビ効果).

北九州市立大学大学院 西村 穂乃果 他…343
解説
紫外発光ダイオード(UV-LED)を用いた消毒技術
表題:
紫外発光ダイオード(UV-LED)を用いた消毒技術
著者:
小熊久美子(東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.48,No.8,pp.351-354(2020)

紫外線照射による微生物の不活化は,有効な消毒技術として多様な分野で利用されている。近年,新規無水銀の紫外光源として紫外発光ダイオード(UV-LED)が登場し,その消毒技術への応用が世界的に注目を集めている。本稿では,特に水処理の話題を中心に,紫外線消毒の原理と水処理への導入状況,UV-LEDの光源としての魅力,UV-LEDを用いた消毒技術に関する国内外の研究動向などを解説し,最後に今後の展望を述べる。

Key words:Disinfection(消毒)/Light Emitting Diode(LED)/Ultraviolet Radiation(紫外線)/Water Treatment(水処理).

東京大学大学院 小熊 久美子…351
講座
損傷菌[15] カビ・酵母における細胞損傷とその回復
表題:
損傷菌[15] カビ・酵母における細胞損傷とその回復
著者:
堀切茂俊(大阪府立大学 研究推進機構 微生物制御研究センター,パナソニック エコシステムズ(株)),土戸哲明(大阪府立大学 研究推進機構 微生物制御研究センター)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.48,No.8,pp.355-362(2020)

カビと酵母の損傷およびその回復について,比較的初期の研究から最近に至るまでの知見を概説した。カビでは胞子の致死的損傷について熱死滅反応への媒質や阻害剤共存の影響の検討例を概説するとともに,死滅反応における活性化エネルギー値の意義および生理学的な細胞内部の損傷部位について述べた。胞子の亜致死損傷とその修復ではストレス応答の関与について述べ,損傷カビ胞子の発育動態の解析によって2つの損傷様式の存在を提示した。菌糸の損傷では,Woronin体やストレス顆粒の関与を紹介した。次に酵母の損傷では,二重平板法による加熱損傷菌の計数例を呈示した。また細胞部位の損傷例を加熱,凍結,高圧,放射線について紹介した。今後の損傷研究では,ストレス応答とともに最近の細胞死研究にも注視する必要性を指摘した。

Key words:Injured cells(損傷菌)/Mold(カビ)/Yeast(酵母)/Microorganism control(微生物制御)/Repair(修復).

パナソニック エコシステムズ(株) 堀切 茂俊 他…355
講座
建築物の空気関連の微生物汚染と対策等 [6]空気清浄機の働きと微生物対策
表題:
建築物の空気関連の微生物汚染と対策等 [6]空気清浄機の働きと微生物対策
著者:
柳 宇(工学院大学 建築学部 教授)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.48,No.8,pp.363-367(2020)

空気清浄機は室内の空気を循環させながら空気中の浮遊粒子をろ過する仕組みとなっている。従って,フィルタろ過式空気清浄機の浄化性能はフィルタの捕集率のみならず,その風量にも関係する。空気清浄機の浄化性能は風量と捕集率の積に比例し,室容積に反比例する。そのため,空気清浄の浄化性能の試験において,試験チャンバの大きさが重要なファクタとなる。本報に用いる試験チャンバと試験法は公益社団法人日本空気清浄協会の試験法に準ずるものである。試験の結果,空気清浄機による浮遊細菌と真菌の除去効果が認められた。また,実際のクリニックの待合室における実証の結果,空気清浄機は運転すれば,室内浮遊細菌濃度が抑制されることが明らになった。

Key words:Air purifier(空気清浄機)/Purification principle(浄化原理)/Test method(試験方法)/Bacterium(細菌)/Fungus(真菌)/Removal effect(除去効果).

工学院大学 柳 宇…363
講座
真菌の分類と同定 [3]子嚢菌門のDNA配列を用いた同定
表題:
真菌の分類と同定 [3]子嚢菌門のDNA配列を用いた同定
著者:
橋本 陽(理化学研究所 バイオリソース研究センター 微生物材料開発室(JCM))
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.48,No.8,pp.369-376(2020)

同定は生物種不明の標本や菌株を認識し名前を与える行為である。この論文では子囊菌門のDNAバーコードに焦点を当てた。DNAバーコードはDNA配列を使った同定方法の1つである。DNAバーコードの本質的問題を概説した。DNAバーコードに伴う実験技術の紹介を説明している。

Key words:Database(データベース)/Method(手法)/Identification(同定).

理化学研究所 橋本 陽…369
紙上ミニシンポジウムⅠ
紙上ミニシンポジウムⅠ 〜水の衛生管理〜 3.貯水槽水道で滞留した水道水からのレジオネラ属菌および関連微生物の検出状況
表題:
紙上ミニシンポジウムⅠ 〜水の衛生管理〜 3.貯水槽水道で滞留した水道水からのレジオネラ属菌および関連微生物の検出状況
著者:
大河内由美子(麻布大学 生命・環境科学部),泉山信司(国立感染症研究所 寄生動物部),前川純子(国立感染症研究所 細菌第一部)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.48,No.8,pp.377-382(2020)

大規模建物を中心に普及した貯水槽水道では,水質管理が適切でないと残留塩素が消失し,レジオネラ属菌に代表される有害微生物が増殖する。本研究では,貯水槽水道内の使用頻度の低い給水栓から初流水を採取し,レジオネラ属菌とその宿主である自由生活性アメーバの検出状況を調べた。その結果,約3割の給水栓からレジオネラ属菌が検出された。再増殖が起こりやすい場所を絞り込むため,検出頻度の高かった3つの受水槽について微生物調査を実施したが,いずれからもレジオネラ属菌は不検出,かつ内壁面のバイオフィルム形成も抑制されていたことから,汚染は各給水栓近傍で局所的に進行したと考えられる。レジオネラ属菌陽性試料では遊離塩素がほぼ消失していた一方,自由生活性アメーバは遊離塩素が0.4 mg/Lを超える試料からも検出されたことから,レジオネラリスク低減に向けて宿主となる自由生活性アメーバに関する情報蓄積も必要と考えられる。

Key words:Legionella spp.(レジオネラ属菌)/Free-living amoeba(自由生活性アメーバ)/Water distribution systems(給水システム)/Reservoir tank(受水槽)/Chlorine residual(残留塩素).

麻布大学 大河内 由美子 他…377
紙上ミニシンポジウムⅠ
紙上ミニシンポジウムⅠ 〜水の衛生管理〜 4.定量的微生物リスク評価を用いた水道水質管理
表題:
紙上ミニシンポジウムⅠ 〜水の衛生管理〜 4.定量的微生物リスク評価を用いた水道水質管理
著者:
橋本 温(県立広島大学生物資源科学部生命環境学科)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.48,No.8,pp.383-391(2020)

本稿では,水道における定量的微生物リスク評価(QMRA)とリスク評価に基づいた水質管理について,健康に係る化学物質の管理の例と比較しながらその問題点,課題を整理した。現状では,リスクアセスメントに基づいて水道水質基準が制定されている化学物質と比較して,わが国の水道水質における水系感染症微生物にかかるリスク評価手法の導入は,微生物特有の様々な課題も多いことから,まだ発展途上の段階である。しかしながら,より安全で科学的な水道水質管理のためにはリスク評価の考え方を取り入れた管理や基準の制定を試みることは極めて重要なものであり,今後の進展の重要性を示した。加えて,水道におけるクリプトスポリジウムのリスク評価および浴槽水におけるレジオネラ菌のリスク評価を例に,QMRAの一例を示した。

Key words:Quantitative Microbial Risk Assessment(定量的微生物リスク評価)/Cryptosporidium(クリプトスポリジウム)/Legionella(レジオネラ)/Drinking Water Quality Standards(水道水質基準).

県立広島大学 橋本 温…383

会員の声-培養-
『名誉会員・篠田純男先生の『回想録~大学生活60年~』を読みて(その20)』…新井 一義…目次裏

『微生物との出会いで変わったこと』…澤田 周二…368

会報 …392

カレンダー …和文目次裏

【 English Contents 】 Vol.48,No.8 (2020)

Original Paper
Effects of Antifungal Polymers Containing DEAM as a Cationic Monomer against Indoor Fungi
by Honoka NISHIMURA, Akiko HEMMI, and Hirosi MORITA…343
Commentary
Disinfection Technologies using UV Light Emitting Diode (UV-LED)
by Kumiko OGUMA…351
Lecture
Injured Microbes (15) Cellular Injury and Its Repair in Molds and Yeasts
by Shigetoshi HORIKIRI, and Tetsuaki TSUCHIDO…355
Lecture
The air-related Microbial Contamination in the Building and its Measures (6) Effective Operation of Air Washing Machine and Its Microbe Measures
by U YANAGI…363
Lecture
Taxonomy and Identification of Fungi (3) Identification of Ascomycota using DNA Sequence
by Akira HASHIMOTO…369
Mini-Journal SymposiumⅠ
Hygiene Management of Water
Detection Situation of Legionella Genus Bacteria and Its Related Microbe from Tap Water Stayed in Water Tank Channel
by Yumiko OHKOUCHI, Shinji IZUMIYAMA, and Junko AMEMURA-MAEKAWA…377
Mini-Journal SymposiumⅠ
Hygiene Management of Water
Management of Water Quality using Quantitative Microbe Risk Evaluation
by Atsushi HASHIMOTO…383
Member’s Voice-Cultivation-
by Kazuyoshi ARAI…Reverse Page of the Contents
by Shuji SAWADA…368
Society Activities
…392
Calendar
…Reverse Page of the Contents in Japanese

Vol.50, No.9 (2022)



【 目次 】

原著論文
Bacillus cereus芽胞の耐熱性と抗生物質感受性に及ぼす高圧とアルカリ性電解水の併用処理の影響
表題:
Bacillus cereus芽胞の耐熱性と抗生物質感受性に及ぼす高圧とアルカリ性電解水の併用処理の影響(原著論文)
著者:
濱中大介,藤崎 洋(鹿児島大学農学部)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.50,No.9,pp.359-365(2022)

Bacillus cereus芽胞の耐熱性に及ぼす高圧あるいはアルカリ性電解水(AlEW)の併用処理の効果を検証した。100 MPa程度でも,50℃で60分ほどの圧力処理のみでもおよそ2 Logの不活性化効果があったが,AlEWの併用しても効果の増強は認められなかった。高圧処理時間,温度および圧力値の場合でも,AlEWを併用したほうが概ね高い耐熱性を維持する傾向であったことから,AlEWはB. cereus芽胞において,圧力ストレスに対して保護的な効果を持つと考えられた。抗生物質(クロラムフェニコール,リファンピシン,ペニシリンG)を用い,これらに対する感受性の変化に基づいて損傷特徴の把握を試みた結果,高圧単独とAlEW併用処理との間には,損傷の特徴に差があることは明らかであったが,耐熱性と損傷程度の間に明確な関係を見出すことはできなかった。

Key words:Bacillus cereus spores(Bacillus cereus芽胞)/Hydrostatic pressure(静水圧)/Alkaline electrolyzed water(アルカリ性電解水)/Injury(損傷)/Heat resistance(耐熱性).

鹿児島大学農学部 濱中 大介 他…359
総説
総合防除(IPM)の歩みと今後の展望 ―生活環境と製造環境の分野を中心として―
表題:
総合防除(IPM)の歩みと今後の展望 ―生活環境と製造環境の分野を中心として―
著者:
安部八洲男(防疫薬総合管理研究会/(元)大阪青山大学健康科学部)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.50,No.9,pp.367-381(2022)

総合的有害生物管理(IPM)の考え方が生まれた歴史的背景について述べた。そして,IPMの考え方(定義,基本理念,骨子)について説明した。IPMは「あらゆる適切な防除手段を相互に矛盾しない形で使用して」とある。「化学的防除」,「機械的・物理的防除」,「生物的防除」,「生態的・環境的防除」について説明し,「防除手段のピラミッド」の考え方について述べた。IPMを実施する際の手順について説明した。さらに,ゴキブリ防除のIPM,都市部の蚊のIPM,牛舎のハエのIPMの具体例について説明した。IPMを実施する際に,防除を実施するか,防除は実施せずに,このままモニタリング(監視)を続けるのか,防除は成功したのか等を判断する時に,被害許容水準に基づいて判断する。この被害許容水準について説明した。最後に,IPMの現状と難点について考え,今後の展望について解説した。

Key words:Integrated Pest Management(IPM,総合的有害生物管理)/Pesticide registance(薬剤抵抗性)/Acceptable injury level(被害許容水準)/Pest control operator(PCO,害虫防除業者)/Pesticide residue(農薬残留)/Economic injury level(経済的被害許容水準).

防疫薬総合管理研究会 安部 八洲男…367
解説
繊維製品を中心に微生物制御に貢献する一般社団法人 繊維評価技術協議会(繊技協)の取り組みの現状と将来
表題:
繊維製品を中心に微生物制御に貢献する一般社団法人 繊維評価技術協議会(繊技協)の取り組みの現状と将来
著者:
藤井明彦(一般社団法人 繊維評価技術協議会 理事・大阪支所長)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.50,No.9,pp.383-387(2022)

(一社)繊維評価技術協議会(繊技協)は,1949年に設立された「(財)繊維検査懇談会」を前身としており,2002年に「繊維製品新機能評価協議会」と統合し,現在に至っている。なお,主として繊維製品ならびに周辺分野において,微生物制御を担っている機関である。繊技協の組織は,評価・標準部,試験検査部,マーク推進部,製品認証部の4部からなっており,評価・標準部では繊維関係のJIS・ISOの見直し,原案の作成,試験検査部では,試験方法の調査・研究,試験機関職員の研修,製品認証部では,SEKマーク認証制度の運用,マーク推進部では,SEKマークの普及,認証基準の改訂,等の業務を実施している。特に,製品認証部は,ISO/IEC 17065のシステムを運用する製品認証機関として(公財)日本適合性認定協会(JAB)より2008年に認定を取得し,現在抗菌防臭加工マークをはじめ全9マークのSEKマークの認証を行っている。今後も繊維製品の安全性,機能性を担保するマークとして国内外への認証の拡大を目指している。

Key words:SEKマーク/繊維製品/製品認証.

(一社)繊維評価技術協議会 藤井 明彦…383
講座
第48回年次大会(特別講演・教育講演・基礎講座)講座 [7]日常生活での感染予防 -院内感染制御からみた新型コロナ対策-
表題:
第48回年次大会(特別講演・教育講演・基礎講座)講座 [7]日常生活での感染予防 -院内感染制御からみた新型コロナ対策-
著者:
大薗英一(越谷大袋クリニック)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.50,No.9,pp.389-395(2022)

新型コロナウイルス感染症の脅威は,死亡率が高いこととどこで感染したか分からないことにある。罹患後の致死率はワクチン接種により低減したが,飛沫や飛沫核・微小飛沫による伝播に着目してリンクが明らかになるのは30%しかない。かつて,標準予防策につながる院内まん延を起こしたB型肝炎ウイルスや夏の咳の風邪のRSウイルスのように,SARS-CoV-2は環境中でも長時間感染力を保ち,感染飛沫で汚染された処を触った手で自分にうつすfomite transmissionが疑われる。さらにこのウイルスのレセプターは口や鼻の出口近くの粘膜に多く存在し感染が成立する。そこで,口や鼻を触らないためのマスクと,タイミングと使う位置を考えた手洗いで予防しようという戦略である。しかし,これは2009年の新型インフルエンザの院内感染予防と変わらず,それ以降の飛沫伝播する感染症や今回のCOVID19でも重点を変えただけで違いはない。日常の感染予防として,次の新たなパンデミックにも流用可能な手立てである。

Key words:Hand hygiene/hand wash(手の衛生/手洗い)/Mask(マスク)/Standard precaution(標準予防策)/Fomite transmission(汚染物伝播).

越谷大袋クリニック 大薗 英一…389
講座
滅菌・無菌性保証と滅菌バリデーションの現状 [3]電子線滅菌の特徴,医療機器・医薬品等への実用化経緯並びに近年の利用動向と将来展望について
表題:
滅菌・無菌性保証と滅菌バリデーションの現状 [3]電子線滅菌の特徴,医療機器・医薬品等への実用化経緯並びに近年の利用動向と将来展望について
著者:
山瀬 豊(住重アテックス(株))
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.50,No.9,pp.397-406(2022)

電子加速器による電子線(Electron Beam:EB)の殺菌,滅菌は近年,医療機器,包装容器(医薬品,食品飲料),試験器材,無菌製剤等多方面で注目,利用されるようになってきた。筆者は,国内で初となる電子線滅菌の医療機器及び無菌製剤への実用化(薬事承認,製造業許可)やドジメトリックリリース(パラメトリックリリース)化などにも関与した経験なども踏まえ,本稿では電子線滅菌の特徴や医療機器,無菌製剤の実用化までの経緯,近年の利用動向と将来展望(環境負荷低減,医薬品の無菌化プロセスイベーション等)を解説する。

Key words:Electron beam sterilization(電子線滅菌)/Practical application process(実用化経緯)/Usage trends(利用動向)/Future outlook(将来展望).

住重アテックス(株) 山瀬 豊…397
Biocontrol Science 和文解説
焼成カルシウム製剤(シェルコート)はSARS-CoV-2を効率的に不活化する
表題:
Biocontrol Science Vol.27 No.1 和文解説:焼成カルシウム製剤(シェルコート)はSARS-CoV-2を効率的に不活化する
著者:
畑中律敏,安木真世,山﨑伸二(大阪府立大学大学院 生命環境科学研究科/大阪府立大学 アジア健康科学研究所/大阪府立大学 大阪国際感染症研究センター),徐 炳婷(大阪府立大学大学院 生命環境科学研究科),山下泰治,川上大雄((株)かわかみ)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.50,No.9,pp.407(2022)

本研究では,10%乳酸ナトリウム,9.9%エタノール,0.26%水酸化カルシウムと0.01%乳酸からなる貝殻焼成カルシウム製剤(シェルコート)がSARS-CoV-2に対して抗ウイルス活性を有するかどうかについて調べた。その結果,シェルコートはわずか10秒の処理で感染力価6.6 $log\ TCID_{50}/mL$のSARS-CoV-2を2.2 $log\ TCID_{50}/mL$まで低下させ,20秒の処理では検出限界(2.1 $log\ TCID_{50}/mL$)以下となった。また,唾液を想定した有機物存在下でもこの抗ウイルス活性は全く影響を受けなかった。以上の結果より,シェルコートは新型コロナウイルス感染症の制御に有用であると考えられる。

Key words:貝殻焼成カルシウム製剤/SARS-CoV-2/抗ウイルス活性.

大阪府立大学 畑中 律敏 他…407

会員の声-培養-
『名誉会員・篠田純男先生の『回想録~大学生活60年~』を読みて(その45)』…新井 一義…目次裏

海外文献抄録 …坂上 吉一…355

図書紹介
『Journal of Disaster Research:JDR 微生物災害を含めた災害科学国際論文誌』…篠田 純男…356

会報 …408

カレンダー …和文目次裏

【 English Contents 】 Vol.50,No.9 (2022)

Original Paper
Combined Effect of High Hydrostatic Pressure and Alkaline Electrolyzed Water on the Heat Resistance and Antibiotic Sensitivity of Bacillus cereus Spores
by Daisuke HAMANAKA, and Hiroshi FUJISAKI…359
General Review
Integrated Pest Management (IPM) and its Prospects -Around the Field of Living Environment and the Production Environment-
by Yasuo ABE…367
Commentary
Current Status and Future of Japan Textile Evaluation Technology Council (JTETC) Contributing to Microbial Control with Textile
by Akihiko FUJII…383
Lecture
Magazine Lectures Presented in the 48th Annual Conference (Special Lecture, Education Lecture, and Basic Lecture)
(7) Prevention of Infection in Daily Life –Anti-COVID19 Based on the Nosocomial Infection Control–
by Eiichi OSONO…389
Lecture
Current Situation about Guarantee of Sterilization・Abacterial Sterilization and Sterilization Validation
(3) About a Characteristic of Electron Beam Sterilization, Practical Use Process to Medical Equipment and Pharmaceutical Products, and Recent Use Trend and Future View
by Yutaka YAMASE…397
Summary of Biocontrol Science
ShellCoat, a Calcinated Calcium Solution, Effectively Inactivates SARS-CoV-2
by Noritoshi HATANAKA, Jo Heitei, Mayo YASUGI, Taiji YAMASHITA, Hiroo KAWAKAMI, and Shinji YAMASAKI…407
Member’s Voice-Cultivation-
by Kazuyoshi ARAI…Reverse Page of the Contents
Society Activities
…408
Calendar
…Reverse Page of the Contents in Japanese

Vol.50, No.10 (2022)



【 目次 】

短報
弱酸性次亜塩素酸水溶液の超音波霧化による殺菌作用に及ぼすエアサーキュレータの併用効果
表題:
弱酸性次亜塩素酸水溶液の超音波霧化による殺菌作用に及ぼすエアサーキュレータの併用効果(短報)
著者:
小澤由美,小林麻比,奥津敬右,小池智子,和田利奈((株)ナック クリクラ中央研究所),福﨑智司(三重大学大学院生物資源学研究科)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.50,No.10,pp.409-414(2022)

メンブレンフィルタ上のEnterobacter aerogenesに対する弱酸性次亜塩素酸水溶液の超音波霧化の殺菌作用を,換気およびエアコン作動室内(67 $m^3$)で検討した。殺菌対象であるE. aerogens付着フィルタを入れたシャーレを,霧化器から5.6 m離れた台に置いた。換気およびエアコンを作動していない室内では,90~180分の稼働中の気体状次亜塩素酸($HOCl$(g))の平均濃度は36.8 ppbであり,霧化微細粒子もシャーレに到達しており,180分後には3-logの生菌数の減少が得られた。換気およびエアコンを作動すると,$HOCl$(g)濃度は低下し(10~17 ppb),霧化微細粒子の到達は妨げられた。その結果,対数減少値と不活化速度は$HOCl$(g)濃度に依存して著しく減少した。エアサーキュレータ(シャーレ方向に向けて霧化器の後ろに設置)は,$HOCl$(g)と霧化微細粒子の前方への流れを促進することで殺菌作用を高めた。以上の結果から,エアサーキュレータが作る気流は室内空間の霧化器から離れた位置に対する霧化殺菌の効果を高めることが示された。

Key words:Ultrasonic fogging(超音波霧化)/Weakly acidic hypochlorite solution(弱酸性次亜塩素酸水溶液)/Air circulator(エアサーキュレータ)/Bactericidal action(殺菌作用)/Gaseous hypochlorous acid(気体状次亜塩素酸).

(株)ナック 小澤 由美 他…409
講座
食の安全・安心科学-食品製造現場・食品にかかわる微生物汚染とその対策- [17]食品(特に食肉製品)の加熱殺菌と凍結・解凍技術
表題:
食の安全・安心科学-食品製造現場・食品にかかわる微生物汚染とその対策- [17]食品(特に食肉製品)の加熱殺菌と凍結・解凍技術
著者:
阪口 潤,谷口 暢(サラヤ(株)・丹後フーズ(株)),松尾和秀(サラヤ(株))
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.50,No.10,pp.415-421(2022)

食品は,消費者にとって最も身近で必要不可欠なものの一つである。市場には多種多様な食品であふれ,日々,大量生産と消費が行われているが,万が一,食中毒などの食品にまつわる事故が発生した場合,被害が拡大しやすいといった問題がある。食中毒は,その原因となる細菌やウイルスなどが食べ物に付着し,体内へ侵入することによって起こる。食中毒を防ぐためには,例えば細菌の場合,細菌を食べ物に「つけない」,食べ物に付着した細菌を「増やさない」,食べ物や調理器具に付着した細菌を「やっつける」という3原則が重要となる。本稿では,食中毒予防の3原則のうち,加熱と冷却について,食肉製品を例に挙げて説明するとともに,品質低下をできる限り抑えた凍結・解凍技術についても概説する。

Key words:Food poisoning(食中毒)/Microorganism(微生物)/Heat sterilization(加熱殺菌)/Freezing/thawing technology(凍結・解凍技術)/Quality preservation(品質保存).

サラヤ(株) 阪口 潤 他…415
講座
環境衛生のバリデーション [1]微生物管理の考え方とアプローチ
表題:
環境衛生のバリデーション [1]微生物管理の考え方とアプローチ
著者:
宮島 誠((元)日油(株))
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.50,No.10,pp.423-433(2022)

環境衛生とは,環境の汚染を低減させ,健康の維持,増進により適した状態へと向けること,バリデーションとは,そのための手段や方法が妥当かどうかを検証することとされる。微生物による汚染の防止には,『微生物と賢くつき合う』,そのためには,細菌やカビを,絶滅させるのではなく管理する,具体的には,微生物による害のない状態の製品や環境をつくることを目的として,汚染状況や改善のための処置が与える影響を定量的に解析し,結果に基づいて必要な制御を行なう,との考え方が必要である。それに基づき,この10年間に当学会より出された,環境衛生とそのバリデーションに関連する論文や特集講座などを,年ごとに列挙した。これらの情報と学会主催の講座やシンポジウム,さらに今後の最新情報とが相まって,より確実な汚染防止へとつなげられるよう祈念して,本講座開講の一文とするものである。

Key words:Environment/Hygiene/Sanitation/Validation/Microbial control.

(元)日油(株) 宮島 誠…423
講座
環境衛生のバリデーション [2]医療機器の滅菌とバリデーションに関して -バイオバーデン抵抗性とバイオロジカルインジケータ抵抗性-
表題:
環境衛生のバリデーション [2]医療機器の滅菌とバリデーションに関して -バイオバーデン抵抗性とバイオロジカルインジケータ抵抗性-
著者:
後藤明久(ジャパンガス(株) 品質保証部)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.50,No.10,pp.435-439(2022)

滅菌医療機器は放射線,高圧蒸気,酸化エチレンガス,乾熱,過酸化水素など様々な方法で滅菌処理が行われている。滅菌種類の違いでバリデーション方法に違いはありますが,各滅菌法に対し共通して言えることは,バイオバーデン管理が重要なことであると経験上強く感じる。滅菌の目的はバイオロジカルインジケータを殺滅することではなく,バイオバーデンを殺滅することであります。バイオバーデン管理については,部材から完成品に至るまで季節変動などを考慮して調査することや,製造環境により微生物を捕集し,バリデートすることが望ましいと考えますが,様々な拘束があるため実施出来かねることが多々あると感じています。今回は酸化エチレンガス滅菌のバイオバーデン滅菌抵抗性試験にスポットを当て,バイオバーデン(特に耐エチレンガス性が高い芽胞形成菌にスポットを当て)の滅菌抵抗性確認試験方法について述べる。

Key words:Biological indicator/Bioburden/Spore-forming bacteria/D value/Resistance.

ジャパンガス(株) 後藤 明久…435
Biocontrol Science 和文解説
低温加熱によるCladosporium sphaerospermum分生子の死滅と液胞損傷
表題:
Biocontrol Science Vol.27 No.2 和文解説:低温加熱によるCladosporium sphaerospermum 分生子の死滅と液胞損傷
著者:
堀切茂俊(大阪府立大学大学院工学研究科量子放射線系専攻,パナソニックエコシステムズ(株)),原田真美(大阪府立大学大学院工学研究科量子放射線系専攻),朝田良子,古田雅一(大阪府立大学大学院工学研究科量子放射線系専攻,大阪府立大学研究推進機構微生物制御研究センター),坂元 仁,土戸哲明(大阪府立大学研究推進機構微生物制御研究センター)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.50,No.10,pp.441-442(2022)

Cladosporium sphaerospermum分生子の熱死滅挙動を検討したところ,その死滅速度のアレニウスプロットの結果から47℃付近の加熱温度を境に様相が異なり,高温側では熱死滅に典型的な高い活性化エネルギー値をもつ反応特性を示したが,低温側ではかなり低い活性化エネルギー値を示した。この低温加熱による特異的な死滅には生物学的な分解反応が関与することを想定し,細胞形態の変化をみるためキナクリンによる液胞染色による顕微鏡観察を行ったところ,細胞内の液胞が破壊されることがわかった。高温側では顕著な液胞破壊はみられず,低温側では液胞プロテアーゼの細胞質への漏出が認められ,さらに液胞破壊による細胞質のキナクリン染色率と死滅率との間で相関が認められた。得られた結果から,低温加熱によって本菌分生子にオートファジー様細胞死が誘発されるものと推察した。

Key words:Cladosporium sphaerospermum conidium/Vacuole injury/Thermal death.

大阪府立大学大学院 堀切 茂俊 他…441
Biocontrol Science 和文解説
MALDI-TOF MSシステムを用いたLegionella pneumophilaの環境分離株および臨床分離株の血清型別の評価
表題:
Biocontrol Science Vol.27 No.2 和文解説:MALDI-TOF MSシステムを用いたLegionella pneumophilaの環境分離株および臨床分離株の血清型別の評価
著者:
曽川一幸(麻布大学生命・環境科学部生化学研究室),村田正太(千葉大学医学部附属病院検査部),谷口俊文(千葉大学医学部附属病院感染症内科),古畑勝則(麻布大学生命・環境科学部微生物学研究室)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.50,No.10,pp.443-445(2022)

レジオネラ肺炎は市中肺炎の1%程度と頻度は多くない。感染症発生動向調査によると2003年に146人であるのに対し,2019年に2314人と15倍以上増加している。また,その死亡率は依然として高く,呼吸不全を呈する市中肺炎の原因菌に限ると肺炎球菌(18.2%)に次いでレジオネラ菌(14.4%)が多い。レジオネラ肺炎の予後改善には早期診断治療が必要であり,治療開始の遅れは死亡率増加につながる。質量分析計による細菌同定は煩雑な試料前処理を行わず,属や種を容易に識別することのできる手法として注目されている。今回我々は質量分析計において,L. pneumophiliaの同定と同時に血清型の判定を行うことを目的とした。エタノール・ギ酸抽出法によりコロニーを処理すると,温泉水サンプルと臨床分離株の29株すべてでL. pneumophilia同定および血清型判定が可能であった。質量分析計は迅速なL. pneumophilia同定および血清型判定に有効な手法であることが示唆された。

Key words:Legionella pneumophila/MALDI-TOF MS/Serotyping.

麻布大学 曽川 一幸 他…443
資料
日本防菌防黴学会 環境殺菌工学研究部会 覚え書き
表題:
日本防菌防黴学会 環境殺菌工学研究部会 覚え書き
著者:
森田和矢(サラヤ(株) 品質保証本部/環境殺菌工学研究部会 前代表運営委員)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.50,No.10,pp.447-451(2022)

米虫先生からの依頼により,日本防菌防黴学会の環境殺菌工学研究部会から製造環境における微生物汚染と対策に関する基礎講座が誕生する歴史を記録として残しておくようにご指示を受け,自分自身の歴史を振り返り,研究部会での思い出や,基礎講座を成功させるまでの思いを綴ってみました。多くの先生方や事務局の方々に支えられ活動できたことが宝であり今の自分自身の形成につながっていることを実感します。

Key words:公開講座/基礎講座.

サラヤ(株) 森田 和矢…447

会員の声-培養-
『名誉会員・篠田純男先生の『回想録~大学生活60年~』を読みて(その46)』…新井 一義…目次裏

海外文献抄録 …坂上 吉一…434

図書紹介
『微生物の取り扱いと微生物管理に関わる試験法』…坂上 吉一…452

会報 …454

カレンダー …和文目次裏

【 English Contents 】 Vol.50,No.10 (2022)

Note
Effect of Air Circulator on the Bactericidal Action of Ultrasonic Fogging with a Weakly Acidic Hypochlorite Solution
by Yumi KOZAWA, Asahi KOBAYASHI, Keisuke OKUTHU, Tomoko KOIKE, Rina WADA, and Satoshi FUKUZAKI…409
Lecture
Safety and Security Science of Food -Microbial Contamination and Measures concerned with Food Manufacturing Sites and Food-
(17) Heat Sterilization and Freezing/thawing Technology for Food Products, Especially Meat Products
by Zyun SAKAGUCHI, Kazuhide MATSUO, and Tooru TANIGUCHI…415
Lecture
Validation of Environmental Hygiene [Sanitation]
(1) Microbial Control- Perspective and Approach
by Makoto MIYAZIMA…423
Lecture
Validation of Environmental Hygiene [Sanitation]
(2) On Sterilization and Validation of Medical Equipment Bioburden Resistance and Biological Indicator Resistance
by Akihisa GOTOU…435
Summary of Biocontrol Science
Low-Temperature Heating-Induced Death and Vacuole Injury in Cladosporium sphaerospermum Conidia
by Shigetoshi HORIKIRI, Mami HARADA, Ryoko ASADA, Jin J. SAKAMOTO, Masakazu FURUTA, and Tetsuaki TSUCHIDO…441
Summary of Biocontrol Science
Evaluation of Serotyping of Environmental and Clinical Isolates of Legionella pneumophila using MALDI-TOF MS
by Kazuyuki SOGAWA, Syota MURATA, Toshibumi TANIGUCHI, and Katsunori FURUHATA…443
Data
Memorandum The Society for Antibacterial and Antifungal Agents Environmental Sterilization Engineering Research Group
by Kazuya MORITA…447
Member’s Voice-Cultivation-
by Kazuyoshi ARAI…Reverse Page of the Contents
Abstracts from Overseas Journals
by Yoshikazu SAKAGAMI…434
Book Review
by Yoshikazu SAKAGAMI…452
Society Activities
…454
Calendar
…Reverse Page of the Contents in Japanese

Vol.50, No.11 (2022)



【 目次 】

原著論文
シリコーンゴムを介する次亜塩素酸の連続抽出と殺菌への応用
表題:
シリコーンゴムを介する次亜塩素酸の連続抽出と殺菌への応用(原著論文)
著者:
福﨑智司,中路彩弥,嶋田千里,吉田すぎる(三重大学大学院生物資源学研究科),岩蕗 仁(岡山県工業技術センター)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.50,No.11,pp.455-460(2022)

リン酸塩水溶液(移動相)をシリコーンチューブ内に種々の速度で送液し,チューブの一部分(100~600 mm)を種々の温度のpH調整$NaOCl$水溶液に浸漬した。その結果,遊離有効塩素(FAC)が$NaOCl$水溶液からリン酸水溶液内に抽出された。ナトリウムイオンはリン酸排出液中からは検出されなかった。FACの抽出量は,$NaOCl$水溶液の非解離型次亜塩素酸($HOCl$)の濃度と温度に依存していた。これらの結果は,FACは$HOCl$として抽出されており,抽出は濃度勾配と熱を推進力とするチューブを介する拡散で進行することを示した。加えて,リン酸塩水溶液の流速とpH,そしてチューブの浸漬長さもFAC抽出量を決める操作要因であった。Staphylococcus aureusおよび Escherichia coliの菌懸濁液をチューブに送液すると,生菌数はFAC抽出量に依存して徐々に減少した。以上の結果は,$HOCl$がシリコーンチューブを介して簡便かつ連続的に抽出できることと,それによってチューブ内を流れる水溶液の殺菌ができる可能性が示唆された。

Key words:Extraction of hypochlorous acid(次亜塩素酸の抽出)/Silicone rubber(シリコーンゴム)/Permeation(透過)/Bactericidal action(殺菌作用)/Mobile phase(移動相).

三重大学大学院 福﨑 智司 他…455
解説
微生物制御分野での次世代シーケンサーの活用法
表題:
微生物制御分野での次世代シーケンサーの活用法
著者:
西山依里,松平崇弘((株)ファスマック)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.50,No.11,pp.461-468(2022)

微生物はプロバイオティクス,食品加工,感染症など良い意味でも悪い意味でも大きな影響を与え,様々な分野で昔から現在に至るまで盛んに行われている研究分野のひとつである。NGSの登場により,これまでより,簡単に環境中の微生物の組成を知ることができるようになり,微生物の研究は飛躍的に進歩したといえるだろう。現在ではNGSの機器の種類や手法など様々なバリエーションがあり,それに伴い,目的に応じた微生物の解析ができるようになった。本稿では微生物制御の観点から考えるNGSを用いた微生物の解析手法について,一般的な微生物解析手法(アンプリコン解析など),さらに応用解析として微生物タイピング解析(NGSMLST法),生菌微生物群集構造解析(選択的膜透過性色素EMAや逆転写cDNAによる方法)について解析事例を交えて紹介する。またNGS解析の補足として解析に必要な技術や注意点についても合わせて言及していく。

Key words:NGS(Next generation sequencing)/MLST/ 16Sr RNA/Microbial community/Live bacteria.

(株)ファスマック 西山 依里 他…461
講座
第48回年次大会(特別講演・教育講演・基礎講座)講座 [5]病原性ウイルスの効果的な制御方法を求めて
表題:
第48回年次大会(特別講演・教育講演・基礎講座)講座 [5]病原性ウイルスの効果的な制御方法を求めて
著者:
岩澤篤郎(東京医療保健大学大学院 医療保健学研究科)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.50,No.11,pp.469-474(2022)

ウイルス制御を検討するうえで,使用するウイルスは,DNAウイルスかRNAウイルスかより,エンベロープを有するかノンエンベロープウイルスかを明確に区別すべきである。ノンエンベロープウイルスは一般細菌・真菌より消毒薬に対する抵抗性が高いからである。我々は,主にノンエンベロープウイルスであるエンテロウイルスとアデノウイルスを中心に様々な抗ウイルス剤を検討してきた。次亜塩素酸水は,pH3前後で低濃度の有効塩素濃度で即効的な効果が高いことを明確にした。アルコール製剤では,アデノウイルス8型で抵抗性を示し,その使用において石鹸流水の併用が推奨された。現在,SARS-CoV-2によるパンデミックによって様々な商品が市販されている。今後は,生体に対して毒性がなく,環境に対する負荷が少ない殺菌・消毒薬の開発と,殺菌機序の解明を含めた総合的な評価をしたうえで,殺菌・消毒薬の適切な使用方法を提示すべきであろう。

Key words:病原性ウイルス/次亜塩素酸水/アルコール製剤.

東京医療保健大学大学院 岩澤 篤郎…469
講座
環境衛生のバリデーション [3]医薬品工場や細胞培養加工施設における微生物汚染対策とその展望
表題:
環境衛生のバリデーション [3]医薬品工場や細胞培養加工施設における微生物汚染対策とその展望
著者:
中村浩章(アース環境サービス(株) 彩都総合研究所)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.50,No.11,pp.475-481(2022)

医薬品工場や再生医療施設(細胞培養加工施設:CPC/CPF)において微生物汚染をリスクとして管理することはGMP/GCTP運用する上で必須事項として考えておかなくてはならない。本稿では特に微生物管理を対象としたバイオロジカルクリーンルーム(BCR)内の管理にフォーカスし,製造物に対してリスクとなりやすい微生物の特徴や,構造設備や人/物の動線など微生物汚染しやすい場所について解説する。特に近年ではバイオ医薬などの製造ラインの増加や再生医療の産業化により無菌操作法による製造が求められるようになってきている。また,その流れに伴い,製造環境では安全キャビネットやクリーンベンチを利用した人が介入する開放系による操作も盛んに行われるようになっている。構造設備の管理不備や人/物による持ち込みのリスクを考えながら各施設における対策が根拠立てて講じることが必須になってきているため本稿における事例を参考にしていただければ幸いである。

Key words:Clean room(クリーンルーム,無菌室)/Microbial contamination(微生物汚染)/Pharmaceutical factories(医薬品工場)/Cell Processing facilities(CPF:細胞培養加工施設)/Countermeasures against(対策).

アース環境サービス(株) 中村 浩章…475
講座
防菌防黴分野における微生物制御の歴史的経緯と現状 [1]開講にあたって(微生物制御,総論)
表題:
防菌防黴分野における微生物制御の歴史的経緯と現状 [1]開講にあたって(微生物制御,総論)
著者:
坂上吉一(元 近畿大学)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.50,No.11,pp.483-485(2022)

微生物は地球上のあらゆる場所に存在する。その誕生は約38億年前にさかのぼる。現在,数多く存在する微生物のうち我々が培養できるもの(目で確認できるもの)は,全体の1%以下に過ぎない。微生物は肉眼では見えない生物であるが,良い微生物(人間にとって都合が良い微生物)と悪い微生物(人間にとって都合が悪い微生物)が存在し,人々の日常生活に大きな影響を与えている存在である。従って,微生物制御は,我々人類が社会生活を健全に営む上で重要な要因の一つである。今回,防菌防黴分野における微生物制御の歴史的経緯と現状と題して,医薬品等ならびに関連分野,食品全般ならびに関連分野,および文化財関係ならびに関連分野を中心として,13回にわたって微生物制御の過去から現状ならびに将来について合わせ解説する講座を開講する。なお,今回は,第1回 開講にあたってとして,微生物制御(総論)について述べる。

Key words:Microbial control technique(微生物制御技術)/Definition and Significance of microbial control(微生物制御の定義および意義)/Microbial control method(微生物制御法)/Field relating to microbial control(微生物制御に関わる分野).

元 近畿大学 坂上 吉一…483
講座
防菌防黴分野における微生物制御の歴史的経緯と現状 [2]医薬品等ならびに関連分野における微生物制御(その1)-抗生物質関係全般ならびに新型コロナウイルス,他-
表題:
防菌防黴分野における微生物制御の歴史的経緯と現状 [2]医薬品等ならびに関連分野における微生物制御(その1)-抗生物質関係全般ならびに新型コロナウイルス,他-
著者:
坂上吉一(元 近畿大学)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.50,No.11,pp.487-498(2022)

微生物制御とは,我々にとって脅威となる微生物を適切に抑える一方,我々にとって良いと思われる微生物を有効に管理することであるとも考えられる。今回,「医薬品等ならびに関連分野における微生物制御(その1)-抗生物質関係全般ならびに新型コロナウイルス-」と題して,薬剤耐性(AMR)の問題,AMRの現状,抗生物質耐性菌の経緯と現状,および抗生物質の開発の現状等を解説するとともに,新型コロナウイルス感染症の発生から現状について,ならびに100年以上前に世界中で感染が続いたスペイン風邪についても,合わせ概説した。

Key words:Antibiotics(抗生物質)/Antimicrobial Resistant Microorganisms(薬剤耐性菌)/SARS-CoV-2(新型コロナウイルス)/Pandemic(大流行)/Spanish flu(スペイン風邪).

元 近畿大学 坂上 吉一…487

会員の声-培養-
『名誉会員・篠田純男先生の『回想録~大学生活60年~』を読みて(その47)』…新井 一義…目次裏

会報 …500

カレンダー …和文目次裏

【 English Contents 】 Vol.50,No.11 (2022)

Original Paper
Continuous Extraction of Hypochlorous Acid through Silicone Rubber Tubes and Its Application to Disinfection
by Satoshi FUKUZAKI, Saya NAKAJI, Chisato SHIMADA, Sugiru YOSHIDA, and Hitoshi IWABUKI…455
Commentary
Utilization of the Next-generation Sequencer in the Field of Microbe Control
by Eri NISHIYAMA, and Takahiro MATSUDAIRA…461
Lecture
Magazine Lectures Presented in the 48th Annual Conference (Special Lecture, Education Lecture, and Basic Lecture)
(5) For the Effective Control Method of the Pathogenic Virus
by Aturou IWASAWA…469
Lecture
Validation of Environmental Hygiene [Sanitation]
(3) Microbial Contamination Measures and Prospects in the Pharmaceutical Factory and the Cell Culture Facility
by Hiroaki NAKAMURA…475
Lecture
The Historic Process and Current Situation of the Microbe Control in the Field of Antibacterial and Antifungal Agents
(1) On Opening Course (Microbe Control and General Remarks)
by Yosikazu SAKAGAMI…483
Lecture
The Historic Process and Current Situation of the Microbe Control in the Field of Antibacterial and Antifungal Agents
(2) Microbe Control in the Pharmaceutical Products and Associated Field [1]: Overall of the Antibiotics and the New Coronavirus
by Yosikazu SAKAGAMI…487
Member’s Voice-Cultivation-
by Kazuyoshi ARAI…Reverse Page of the Contents
Society Activities
…500
Calendar
…Reverse Page of the Contents in Japanese

Vol.50, No.12 (2022)



【 目次 】

原著論文
誤嚥性肺炎の予防を目的とした要介護度と麻痺の有無における細菌学的検討
表題:
誤嚥性肺炎の予防を目的とした要介護度と麻痺の有無における細菌学的検討(原著論文)
著者:
有光史織(文京学院大学大学院 保健医療科学研究科),眞野容子,古谷信彦(文京学院大学大学院 保健医療科学研究科,文京学院大学 保健医療技術学部 臨床検査学科),神作一実(文京学院大学大学院 保健医療科学研究科,文京学院大学 保健医療技術学部 作業療法学科)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.50,No.12,pp.501-505(2022)

肺炎の死亡率は高齢者に多くそのうち7割以上が誤嚥性肺炎とされており,予防に口腔ケアが重要とされている。また,誤嚥性肺炎は脳卒中の後遺症によって引き起こされていると示唆されている。また要介護度別にみた介護が必要となった主な原因においても,脳血管疾患は要介護1~3の第2位,要介護4~5の第1位とされている。しかし脳卒中をはじめとした脳血管疾患と誤嚥性肺炎について細菌学的検討を行っている報告は少ない。そこで本研究では市販洗口剤による口腔ケアが誤嚥性肺炎の予防につながるか検討を行う前段階を目的に,高齢者の唾液中の口腔内微生物についての検証をした。また誤嚥性肺炎を引き起こす嚥下障害,介護が必要となった原因疾患の多くに脳血管疾患が挙げられることから,誤嚥を起こしやすい麻痺を有する人における口腔内微生物についての検証を行った。

Key words:Aspiration pneumonitis(誤嚥性肺炎)/Oral care(口腔ケア)/Pneumonia prevention(肺炎予防)/Paralysis(麻痺)/Nursing care level(要介護度).

文京学院大学 有光 史織 他…501
原著論文
腐敗食品希釈液からのMALDI-TOF MSを用いた直接菌種同定のための前処理方法の検討
表題:
腐敗食品希釈液からのMALDI-TOF MSを用いた直接菌種同定のための前処理方法の検討(原著論文)
著者:
福本沙弥,下平潤,庵原啓司(マルハニチロ(株))
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.50,No.12,pp.507-514(2022)

食の安全確保のため,食品腐敗に対してはその原因菌を速やかに同定し,迅速な情報提供と再発防止策を講じる必要がある。MALDI-TOF MSを用いた菌種同定自体は非常に迅速であるが,菌株を分離・培養するため少なくとも2日程度要する。そこで本研究では,コーンクリームにStaphylococcus aureusEscherichia coliをそれぞれ接種したモデル腐敗食品希釈液から,直接菌種を同定するための前処理方法を検討した。脱脂綿および5 µmフィルターで油分と食品残渣を除去したところ,いずれも食品希釈液の菌濃度が$10^6$ CFU/g以上で同定可能であった。腐敗した豚バラ肉を用いて分離・培養した場合の菌種同定結果と直接同定結果を比較したところ,直接同定結果が腐敗食品中の優占菌種を反映していることが示唆された。本前処理方法の汎用性を調べるために,蒸しチキン,茹でたコーン粒,茹で人参,ウインナーと生ちくわのネトを用いて直接同定を行った結果,いずれも直接同定可能であった。

Key words:Direct species identification(直接菌種同定)/MALDI-TOF MS(マトリックス支援レーザー脱離イオン化時間飛行型質量分析計)/Food suspension(食品希釈液)/Cultivation free(培養不要)/Psychrophilic bacteria(低温性細菌).

マルハニチロ(株) 福本 沙弥 他…507
原著論文
口腔由来乳酸菌がマウス歯肉上皮細胞のタイトジャンクションに与える影響
表題:
口腔由来乳酸菌がマウス歯肉上皮細胞のタイトジャンクションに与える影響(原著論文)
著者:
首藤崇裕(広島大学大学院 医系科学研究科 口腔生物工学,大阪歯科大学 医療保健学部 口腔工学科),峯 裕一(広島大学大学院 医系科学研究科 口腔生物工学,広島大学大学院 医系科学研究科 医療システム工学),津山麻衣,伊東 黎,田地 豪,二川浩樹(広島大学大学院 医系科学研究科 口腔生物工学)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.50,No.12,pp.515-520(2022)

本研究では,う蝕罹患歴のない被験者から分離した口腔由来乳酸菌の溶菌液が,マウス歯肉上皮細胞におけるタイトジャンクションの機能におよぼす影響を検討した。マウス歯肉上皮細胞であるGE1細胞を,Lacticaseibacillus rhamnosus KO1,L. rhamnosus L8020,L. casei YU3およびL. paracasei YU4の溶菌液で処理した。経上皮電気抵抗を測定した結果,L. rhamnosus KO1を除くすべての菌株がタイトジャンクションバリア機能を有意に向上させることが明らかとなった。また,タイトジャンクションに関連するタンパクの遺伝子発現を促進したが,その効果は菌株により異なっていた。本研究よりL. rhamnosus L8020,L. casei YU3およびL. paracasei YU4は,歯肉上皮細胞のタイトジャンクション関連分子の発現を促進することにより,タイトジャンクション機能を高めることが示唆された。

Key words:Probiotics(プロバイオティクス)/Tight junction(タイトジャンクション)/Lactic acid bacteria(乳酸菌)/Gingival epithelial cells(歯肉上皮細胞).

広島大学大学院 首藤 崇裕 他…515
解説
皮膚常在菌制御研究の最前線
表題:
皮膚常在菌制御研究の最前線
著者:
濱田昌子(小林製薬(株)・中央研究所・基盤研究部)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.50,No.12,pp.521-528(2022)

ヒトの皮膚上には細菌,真菌,ウイルスから成る微生物叢が形成されており,共生微生物と病原菌のバランスの乱れが生じると,皮膚疾患のみならず全身性疾患につながることがある。近年,皮膚の微生物叢の網羅的かつ詳細な解析が可能となり,微生物叢と疾患との関連性に関わる研究や,微生物叢をターゲットとした治療法が注目されている。本報では,皮膚常在菌が関与する代表的な皮膚疾患である尋常性ざ瘡とCutibacterium acnes,アトピー性皮膚炎とStaphylococcus aureusならびに,体臭とStaphylococcus属菌との関連に関して,その治療法及び対策を含む研究事例の最前線について解説する。

Key words:Cutibacterium acnes(アクネ菌)/Acne vulgaris(尋常性ざ瘡)/Staphylococcus aureus(黄色ブドウ球菌)/Atopic dermatitis(アトピー性皮膚炎)/Body odor(体臭).

小林製薬(株) 濱田 昌子…521
講座
環境衛生のバリデーション [4]不織布を使用したシートタイプ化粧品の微生物汚染対策の現状とこれからの展望
表題:
環境衛生のバリデーション [4]不織布を使用したシートタイプ化粧品の微生物汚染対策の現状とこれからの展望
著者:
菅 卓弥((株)カナエテクノス)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.50,No.12,pp.529-535(2022)

不織布を使用したウェットティッシュ及びウェットフェイシャルマスクが化粧品として誕生してから凡そ40年になるが,それらの化粧品はその特徴的な機能により,種類や数は年々増加しており,化粧品におけるシートタイプ化粧品の存在は確固たるものになってきている。近年では安全性の観点より,パラベン等の防腐剤を含まない防腐剤フリーの製品が消費者に求められており,国際的にも防腐剤に対する規制が厳しくなっている。また,特にウェットフェイシャルマスクにおいてはこれまでの1包装1枚のスペシャルケアを訴求した製品から1包装多枚数のデイリーユースを訴求した製品が発売されており,製品の微生物汚染のリスクはますます増大していると言える。シートタイプ化粧品はその微生物管理において,不織布及びその製品特性により,従来の液体化粧品とは異なる特徴を有している。その特徴について①製品構成,②製造方式,③二次汚染のリスク,④試験方法の観点から,弊社の経験も交えながらその詳細を説明する。

Key words:シートタイプ化粧品/不織布/微生物管理.

(株)カナエテクノス 菅 卓弥…529
講座
防菌防黴分野における微生物制御の歴史的経緯と現状 [3]医薬品等ならびに関連分野における微生物制御(その2)-殺菌消毒剤関係全般(歴史的経緯を踏まえて)-
表題:
防菌防黴分野における微生物制御の歴史的経緯と現状 [3]医薬品等ならびに関連分野における微生物制御(その2)-殺菌消毒剤関係全般(歴史的経緯を踏まえて)-
著者:
坂上吉一(元 近畿大学)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.50,No.12,pp.537-543(2022)

微生物制御とは,我々にとって脅威となる微生物を適切に抑える一方,我々にとって良いと思われる微生物を有効に管理することであると考えられる。今回,医薬品等ならびに関連分野における微生物制御(その2)-殺菌消毒剤関係全般(歴史的経緯を踏まえて)-と題して,微生物制御に貢献する殺菌消毒剤を中心に,殺菌消毒剤および消毒に関する年表,主な殺菌消毒剤のリストおよび来歴等,および主な殺菌消毒剤の副作用について,詳細に解説した。さらに,新規殺菌消毒剤であるHM-242,およびOPB-2045とその発展形のオラネキシジンについて,グラム陰性菌(緑膿菌),およびグラム陽性球菌(黄色ブドウ球菌)に対する殺菌効果等を電子顕微鏡による形態学的変化,その他を踏まえて検討した。

Key words:Disinfectant(殺菌消毒剤)/Historical reasons(歴史的経緯)/Microbial control(微生物制御)/Novel Disinfectant(新規殺菌消毒剤)/Side effect(副作用).

元 近畿大学 坂上 吉一…537
Biocontrol Science 和文解説
Biocontrol Science Vol.27 No.2 和文解説:ビブリオ・バルニフィカスに対するポリミキシンB及びLL-37のフラジェリン発現阻害効果
表題:
Biocontrol Science Vol.27 No.2 和文解説:ビブリオ・バルニフィカスに対するポリミキシンB及びLL-37のフラジェリン発現阻害効果
著者:
三好伸一,熊谷美香,谷田遼介,惣田康平,吉本ゆり,水野 環(岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 薬学系 衛生微生物化学分野)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.50,No.12,pp.545(2022)

本研究では,ビブリオ・バルニフィカスに最小発育阻止濃度未満の抗菌ペプチド(AMPs)を作用させた。細菌由来のAMPであるポリミキシンBを作用させた細菌細胞から,外膜タンパク質を調製し,そのプロファイルの変化を解析したところ,極鞭毛の鞭毛繊維を構成するフラジェリンの減少が示された。さらには,鞭毛運動の低下,フラジェリン遺伝子の発現量の減少も確認された。一方,ヒト腸管由来のAMPであるLL-37,及びその断片についてもフラジェリン遺伝子の発現低下が示された。以上の結果は,低濃度AMPsが,フラジェリンの発現を抑制することにより,ビブリオ・バルニフィカスの運動性を低下させることを示唆している。

Key words:ビブリオ・バルニフィカス/抗菌ペプチド/フラジェリン.

岡山大学大学院 三好 伸一 他…545

会員の声-培養-
『名誉会員・篠田純男先生の『回想録~大学生活60年~』を読みて(その48)』…新井 一義…目次裏

日本防菌防黴学会誌50巻総目次 …546

日本防菌防黴学会誌50巻著者索引 …548

会報〔第50回通常総会議事録・第47回評議員会議事録〕 …549

会報 …556

カレンダー …和文目次裏

【 English Contents 】 Vol.50,No.12 (2022)

Original Paper
Association of bacteria causing aspiration pneumonia with the presence/absence of paralysis and level of care required in older patients
by Shiori ARIMITSU, Yoko MANO, Hitomi KAMISAKU, and Nobuhiko FURUYA…501
Original Paper
Preprocessing methods for direct species identification within spoiled food suspensions using MALDI-TOF MS
by Saya FUKUMOTO, Jun SHIMODAIRA, and Keishi IOHARA…507
Original Paper
Effect of Oral Lacticaseibacillus Isolates on the Function of Tight Junctions in Mouse Gingival Epithelial Cells
by Takahiro SHUTO, Yuichi MINE, Mai TSUYAMA, Rei ITO, Tsuyoshi TAJI, and Hiroki NIKAWA…515
Commentary
Front Line of the Research in the Control of Skin Indigenous Bacterium
by Shoko HAMADA…521
Lecture
Validation of Environmental Hygiene [Sanitation]
(4) The Current Situation of the Microbial Contamination Measures of the Seat Type Cosmetics using the Nonwoven Fabric and Prospects in the Future
by Takuya KAN…529
Lecture
The Historic Process and Current Situation of the Microbe Control in the Field of Antibacterial and Antifungal Agents
(3) Microbe Control in the Pharmaceutical Products and in the Associated Field(part 2) Overall of the Sterilizing Disinfectant (Based on Historic Process)
by Yoshikazu SAKAGAMI…537
Summary of Original Paper Published in Biocontrol Science (Vol.27, No.2, 2022)
Inhibitory Effects of Polymyxin B and Human LL-37 on the Flagellin Expression in Vibrio vulnificus
by Shin-ichi MIYOSHI, Mika KUMAGAI, Ryousuke TANIDA, Kohei SODA, Yuri YOSHIMOTO, and Tamaki MIZUNO…545
Member’s Voice-Cultivation-
by Kazuyoshi ARAI…Reverse Page of the Contents
Annual Index to Volume 50
…546
Annual Index to Volume 50 by Authors
…548
Society Activities
A Report of the 50th General Meeting, A Report of the 47th Board of Council
…549
Society Activities
…556
Calendar
…Reverse Page of the Contents in Japanese